リーグ開幕6戦未勝利と苦しいシーズン序盤を過ごし、現在も残留争いを強いられている柏。ただ、中断期間が明けてからのリーグ戦は1勝3分と無敗を維持している。天皇杯では2回戦で山梨学院大PEGASUS、3回戦でJ2徳島、ラウンド16でJ1札幌を撃破し、準々決勝にコマを進めた。
中断期間中、主に守備の整備に取り組んでいた柏だが、人選変更が功を奏した印象も強い。それまでサイドハーフやインサイドハーフで起用されることの多かった山田 康太がトップ下に近い位置で起用されることで、相手のCBやアンカーに対して効果的なプレッシャーを掛ける場面が増加。最終ラインでは今夏に浦和から期限付き移籍加入した犬飼 智也が早くも存在感を発揮しており、失点数減少に貢献している。犬飼加入後のリーグ戦4試合での失点数は『2』で、井原 正巳監督も「チームとして守備の安定感を引き出してくれていると思う。声を出してくれる、チームをまとめるリーダーシップがチームには必要だったし、そういう部分を還元してくれていると思う」と犬飼について評価。犬飼は「声で守るところは自分の得意としているところ。後ろがしゃべれば自分もやりやすいし、入ったときから遠慮なくやっている」と自身が意識していることについて話した。
ただ、犬飼は浦和の選手として天皇杯に出場したため、柏の選手としては今大会に出場することができない。札幌戦で先発した田中 隼人や、リーグ戦でベンチ入りを続けている立田 悠悟が代役として出場する可能性が濃厚だ。犬飼を欠いてもチームとして大崩れすることなく、6大会ぶりの準決勝進出を果たすことができるか。代役選手の奮起に期待がかかる。
対する名古屋は、リーグ前半戦の17試合でわずか2敗と、順調に勝点を積み重ねてきた。後半戦はここまで3勝1分4敗と負け越しているが、首位・横浜FMとの勝点差は『5』で、優勝に向けて巻き返しも十分可能な状況。天皇杯では2回戦でJFLのヴィアティン三重、3回戦でJ2仙台、ラウンド16でJ1浦和を撃破し、準々決勝にコマを進めた。
柏と同様、名古屋も今夏を経て人選変更が起こった。特に影響が大きかったのは、マテウス カストロのアル・タアーウン(サウジアラビア)への完全移籍だろう。“悪魔の左足”とも呼ばれる強烈なキックを武器にチームをけん引し、今季は公式戦6得点を記録。浦和戦でも直接FKからゴールを奪っている。リーグ戦では広島から加入した森島 司がその穴を埋めて先発出場を続けているが、広島で天皇杯に出場していたため、名古屋の選手としては今大会に出場できない。ユトレヒト(オランダ)への期限付き移籍から復帰した前田 直輝らの活躍に期待したい。
両者は今季、J1第4節で対戦しており、そのときは3-0で名古屋が勝利した。この試合では、どちらのチームに勝利の女神がほほ笑むのか。準決勝進出を懸けた一戦は8月30日(水)19時、三協フロンテア柏スタジアムでキックオフだ。
[ 文:藤井 匠 ]
