本拠地でのゲームとなる神戸は、ここまで順当な勝ち上がりを見せている。
6月12日に行われた初戦の2回戦は富山と対戦。5月22日に開催されたJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド3回戦で苦杯をなめさせられた相手との一戦だったが、宮代 大聖とジェアン パトリッキがゴールを決めて2-0の完勝を収め、リベンジを果たした。続く3回戦の徳島戦では66分に佐々木 大樹が先制点を挙げると、73分に途中出場の大迫 勇也が追加点を決めて、2-0で勝利。さらに柏とのラウンド16では開始3分に佐々木が先制ゴールを決め、このまま1-0で勝ち上がりを決めた。
ここまでの3試合はいずれも直近のリーグ戦から大幅なメンバー変更を実施している。大迫や武藤 嘉紀ら主戦プレーヤーはベンチスタートか欠場し、チームの総合力をもって臨んできた。メンバーが大きく替わっても、3戦連続無失点と持ち味の堅守を着実に体現。神戸らしい戦いを続けている。
今月17日にはAFCチャンピオンズリーグエリートが開幕し、チームは過密日程に突入している。22日のJ1第31節・新潟戦から中2日で鹿島戦が実施され、このあとには中2日でリーグ次節・浦和戦が控えている。リーグ連覇を懸けた重要な戦いを繰り広げている状況の中、チームとして取り組んできた“底上げ”の成果を示し、2019年度大会以来となる天皇杯戴冠へ向けて前進したい一戦となる。
対する鹿島は辛抱強く勝利をつかんできた。
2回戦では奈良と対戦。チャヴリッチが先制点を挙げたものの、前半のうちに同点とされる。それでも後半頭から投入された鈴木 優磨がゴールを奪って、2-1で勝利。3回戦の藤枝戦では24分にPKを決められて先制を許す苦しい展開となるが、70分にチャヴリッチがゴールを決めて同点とし、89分に仲間 隼斗が決勝点を挙げる劇的な勝利を収めている。
さらにラウンド16・甲府戦も熱い試合だった。藤枝戦同様、前半の半ばに失点を喫して追いかける展開に陥る。それでも前半アディショナルタイムに藤井 智也が同点ゴールを奪うと、息詰まる攻防戦の末に89分、途中出場の柴崎 岳の右CKから植田 直通が頭で決めて勝ち越し、前回大会の3回戦でPK戦の末に敗れた相手にリベンジ成功。神戸同様に直近のリーグ戦から大きくメンバーを変更して臨んだ3試合だが、いずれも鹿島らしい“勝負根性”を見せている。
両者は今季二度対戦して1勝1敗。天皇杯での対戦を紐解けば、2019年度大会の決勝で対戦し、神戸が2-0で制して初制覇。2022年度大会では今回と同じ準々決勝で対戦し、鹿島が鈴木のゴールで雪辱を果たしている。
現在、J1で上位につける強豪によるマッチアップ。タイトルへの強い執着心を宿すチーム同士、その譲れない戦いに注目だ。
[ 文:小野 慶太 ]
