迎え撃つ鹿島は苦しい試合が続いていたが、天皇杯ラウンド16でG大阪を2-0で下すことに成功した。特に、ゴールを挙げたのはディエゴ ピトゥカ、エヴェラウドと、ここまで期待に沿えずに苦しんできた2人だったことは大きい。精度の高いミドルシュートと、滞空時間の長い豪快なヘディングシュートというそれぞれの持ち味を発揮した上での得点だったことも、今後に良い影響を与えることが期待される。また、直前のリーグ戦から先発7人を入れ替えながら勝利を手にできたことで、チームをけん引する鈴木 優磨は「今日はチームが明るくなる材料が非常に多かったなと個人的には感じています」と喜んだ。大事な試合を前に、良い流れを作ることができた。
リーグ戦はここから佳境を迎える。2位の鹿島は首位の横浜FMと勝点5差。勢いのある横浜FMから離されないことが、悲願である覇権奪還には重要だ。現在16位の神戸にしても、目標ははるかに高いところに設定して今季を迎えている。残留が狙いではないだろう。どちらのチームも目標に近づくためには、いまの流れをどれだけ継続できるかがカギとなる。
「どの試合も大事だけど、相手も良いチームだし、ここで勝点3が取れるかで天皇杯を勝った意味も変わってくる」 そう言うのは、G大阪戦で見事なクロスを送り、エヴェラウドの得点をアシストした安西 幸輝。良いプレー、良い形での勝利ができたからこそ、それを継続する重要性はよく分かっている。
前回の対戦では、三竿 健斗のゴールで7分に先制した鹿島が、後半にも早い時間帯で鈴木の得点によってリードを広げ、危なげなく勝利を手にしている。当時はまだレネ ヴァイラー監督が来日できておらず、岩政 大樹コーチが代理で指揮を執っていた。レネ ヴァイラー監督が直接指揮を執るようになってから鹿島はより縦の速さが強調され、神戸も監督が交代している。それを踏まえると、前回の対戦とは違う内容になりそうだ。
得られている手ごたえをさらに強く、勢いのあるものに変えたい。両者にとって非常に重要な一戦である。
[ 文:田中 滋 ]

