現在の状況は極めて複雑だ。今季は新型コロナウイルス感染症の影響で各チーム消化試合数がバラバラ。FC東京は勝点50で3位につけているものの、残り試合は今節を含めて4試合しかない。
対する4位・名古屋は勝点49ながら残り6試合と、FC東京に比べ2試合多い。ただ同じ勝点49で5位のC大阪は8試合を残しており、6位・鹿島(勝点48、残り6試合)を含めて3位争いは大混戦の様相を呈している。
それゆえ今節の直接対決は、両チームにとってまさに剣が峰の戦い。勝てば生き残り、負ければ脱落という切羽詰まった状況で、内容よりもとにかく結果が重要になる。
ただ、データ上はFC東京が有利と出ている。現在、名古屋はFC東京に5連敗中。2015年以来8試合勝利がない。さらにホームでは13年以降6試合勝利なしと、名古屋にとって特に相性が悪い相手がFC東京なのだ。
さらに直近の明治安田J1第7節・広島戦、後半開始直後に金崎 夢生が負傷で交代。現時点でクラブからケガに関する発表はないが、「すごく悪いという感覚がある」とマッシモ フィッカデンティ監督が会見で語ったように欠場濃厚。3日に行われた第26節・鳥栖戦では山﨑 凌吾も負傷で離脱しており、今節は純粋なセンターFWがいない状況で戦わなくてはならない。
4月に金崎が合流する前までは、前田 直輝やマテウスがそのポジションに入ることはあったが、彼らのベストポジションはやはりサイドハーフでありアタッカー。金崎や山﨑と同じ役割を求めるのは酷である。試合をしながら早急に攻撃の形を作らなければならない。
もう1つの懸念材料は、中谷 進之介が前節でイエローカードをもらい、出場停止にリーチが掛かったこと。名古屋の強みは、中谷と丸山 祐市、ランゲラックという強固なゴール前の守備陣にあり、ここまで全試合においてその3人のユニットで戦ってきた。前線にスピードやパワーのあるタレントをそろえるFC東京の攻撃陣を、中谷にはカードなしで守り切ることも求められる。
ACLの日程変更に伴い、よりタイトなスケジュールをこなしてきたFC東京は、直近の第33節・札幌戦で連敗をようやく『4』で止めた。21分、安部 柊斗のスペースを狙った縦パスに永井 謙佑が快足を飛ばし追いつくと、ゴール前に切り込みゴールネットを揺らした。
その虎の子の1点を、堅さではJリーグでも屈指の守備陣が守り切り、5試合ぶりに勝点3を積み上げることに成功。永井は古巣の名古屋戦を得意にしていて、これまでに3ゴール2アシストを決めている。FC東京としては、いかにして永井の得意の形に持ち込むかが勝負のポイントになる。
上位に踏みとどまるために最大限の力を発揮したい“シックスポイントマッチ”。両チームに古巣対戦が多く、白熱した戦いになることは間違いない。
[ 文:斎藤 孝一 ]
