因縁の対決だ。名古屋はマッシモ フィッカデンティ監督をはじめ、主将の丸山 祐市、ボランチの米本 拓司が古巣戦。FC東京は快足FWの永井 謙佑がかつて名古屋に所属していた。過去の対戦でも、当人たちによるクリーンで激しいプレーの応酬が見られ、名勝負が繰り広げられている。今節も「絶対に負けたくない」と気合いが入っていることだろう。
名古屋が開幕ダッシュを決めることができた最大の要因は守備。カテナチオの国・イタリア生まれの指揮官は、じっくりとチームに守備戦術を落とし込み、しっかりと浸透させてきた。運動量の豊富なダブルボランチが激しいプレスで相手を追い込み、屈強なCBはチャレンジ&カバーを徹底し、決して守備の穴を空けない。その上、鉄壁の守護神がゴールにカギをかける。名古屋の失点は開幕戦のオウンゴールのみと安定感が抜群である。
その一方で攻撃面でも、前節・鹿島戦のように1点を取り切れる力があり、6試合中4試合が“ウノゼロ”で相手を退けてきた。特に日本代表に初選出された稲垣 祥は、3月30日に行われたモンゴル戦でも見せたミドルレンジからのシュートがあり、チームに勢いをもたらす原動力となっている。
この第7節から始まる連戦の注目ポイントは、どれだけこの高いクオリティーを持つ守備を維持できるか。加えて、試合を積み重ねることでどれだけ連係面や攻撃力をアップできるかだろう。そういう意味で今節は、攻撃陣に多彩な個性を持ち、守備面でも実績のあるFC東京が相手というのは、今後を測る物差しになる。名古屋らしいカテナチオぶりを発揮し、1点をもぎ取って7連勝を目指したい。
対するFC東京は序盤戦を3勝2分1敗で6位につけている。昨季は堅い守備からの速攻のイメージが強いチームだったが、ここまでリーグ戦全試合で失点。JリーグYBCルヴァンカップでは2試合とも無失点で勝利を収めているが、守備の安定感を取り戻して上位を狙っていきたいところだ。
ディエゴ オリヴェイラやアダイウトンといった、フィジカルやスピード、決定力も兼ね備える外国籍FWは脅威となるが、注目したいのはU-24日本代表に選出され、強豪であるU-24アルゼンチン代表とも互角に戦った田川 亨介。リーグ戦ではここまでチームトップタイの3ゴールを奪っており、東京五輪出場を確実なものにするためには、結果や内容も大事になる。かつて鳥栖で指導を受けたマッシモ フィッカデンティ監督が率いる名古屋から得点を奪うことができれば、さらに大きな自信につながるだろう。
昨季は1勝1敗、2試合とも1-0でホームチームが勝利した両チームの対戦。勝負のカギとなるのは先制点か。いずれにせよ、ヒリヒリした熱い戦いになることは間違いない。
[ 文:斎藤 孝一 ]
