ホーム連戦となる鳥栖は前節、清水と対戦。相手は鳥栖の特長を消す狙いで、ミドルブロックをベースとした変則的な守備を見せる。その攻略に苦労しカウンターから危ない場面を作られるが、得点を許さずに前半を折り返すと、後半に白崎 凌兵の加入後初得点で先制。その後いったんは追いつかれるが、エドゥアルドに2試合連続で直接FKからの得点が生まれ、勝ち越しに成功。そのまま逃げ切って5月以来の連勝を達成し、再び3位に浮上した。
一方の大分はホームで残留を争う湘南との直接対決を迎えた。新監督を迎えて意気上がる湘南の前への推進力に苦しめられる展開となったが、守備の局面における粘り強さと集中力を発揮し、失点を喫することなく試合を進めていく。そして、32分に小出 悠太のチームファーストシュートで先制。その後は交代策もうまく活用しながら守備強度を維持すると、終盤には途中出場の伊佐 耕平が個の力で追加点を挙げる。明治安田J1第17節・福岡戦以来の複数得点を記録し、7試合ぶりに勝利。残留圏内の16位・清水との勝点差を『6』に縮めた。
両者の前回対戦は約4カ月前。昭和電工ドーム大分で行われた第14節は、1-1で勝点1を分け合った。鳥栖が前半に山下 敬大のゴールで先制するが、大分も終盤に長沢 駿が同点ゴールを奪取。大分はさらにPKを獲得するが、キッカーの藤本 一輝の前に立ちはだかったのがGK朴 一圭。絶体絶命のピンチを阻止したことで激しい“九州ダービー”は引き分けに終わっている。
残留のために守備意識をさらに高め、前線からの守備とブロック守備を効果的に活用する大分は、鳥栖にとって難敵であることは間違いない。特にここ2試合は鳥栖に合わせる形で守備を展開する相手が続いているだけに、今節も鳥栖は最後の質、どうやってゴール前をこじ開けるかが問われる一戦になるだろう。「相手に警戒されているというのはむしろ喜ぶべきことなんじゃないかなと。自分たちがより高みを目指せる位置にいて、相手チームも自分たちのことを認めてくれているんだなという気持ち」と酒井 宣福は話す。自分たちを警戒する相手を上回ることで、チームとして次のステージへ上がることができる。そこに向けて、チームは前向きに取り組んでいる。大分のカウンターに警戒しつつ、取り組みを結果で示し、チームとしてレベルアップしたい。
ACL出場権獲得争いもJ1残留争いも混戦模様。鳥栖も大分も目標達成のためには九州のライバルに道を譲るわけにはいかない。鳥栖が今季三度目の3連勝を記録するのか。それとも、大分が今季初の連勝を達成するのか。勝点3への強い気持ちを見せ、ライバルを上回るのはどちらか。
[ 文:杉山 文宣 ]
