ホームの名古屋は、8月9日の第23節・横浜FC戦から最長中4日で戦い続けてきた。ACLラウンド16やJリーグYBCルヴァンカップ準々決勝も含まれ、その戦いはより一層厳しいものだった。ただ、結果は上々で、リーグ中断明けは連敗スタートと危うい雰囲気だったものの、8月15日からの11試合は9勝2分と好成績を続けている。
その連戦の締めである今節もしっかりと勝点を積み上げたいところ。現在は3位でも消化試合数が多く、暫定の二文字が頭につく。まだACL圏内に届いていないと仮定して、厳しく戦っていく必要がある。また、今季も下位チームに優しく、優位と予想された試合で勝星を取りこぼすことがある。そういう意味では、大分戦は特に気を引き締めて臨まなくてはならないだろう。
対する大分は、シーズン序盤の大型連敗が尾を引き、19位に沈んでいる。ただ、試合内容はそれほど悪いわけではなく、何かのきっかけさえあれば浮上できる要素を含んでいる。前々節の湘南戦では残留を争うライバル対決に勝利し、前節は上位の鳥栖と引き分けた。それを浮上の契機に変えるためには、上位の名古屋からも勝点を奪いたい。
注目したいポイントは、名古屋が堅守を発揮できるか。名古屋の定番は“ウノゼロ”と呼ばれる1-0での勝利。失点しないことを第一優先として、訪れたチャンスで決め切るという戦いをしてきた。しかし、直近の公式戦3試合で4失点と失点がかさんでいる。もちろん、対戦相手が攻撃に強みを持つチームだったという要因はあるが、一瞬のスキを突かれた場面が多い。90分間を通して守備の集中を切らさないことが名古屋の強みであり、佳境に入るACLやルヴァンカップ、天皇杯といったタイトル戦線につなげるためにも、再び無失点で終える経験をして、リズムを取り戻しておきたい。
攻撃陣では、ポーランド代表のシュヴィルツォクが公式戦3連発中と期待以上の働きをしている。直近のFC東京戦も相手に当たったゴールながら、きっちり得点を奪った。最前線からの守備が名古屋の特長だったが、そのぶんを相棒である前田 直輝がしっかりとカバーしている。“チームの勝利のために”という献身性も引き続き見ていきたい。
一方、残留圏の16位と6ポイント差がついている大分は、得失点差でも不利な立場にあり、残り試合は絶対に負けられないという、トーナメントの意識が必要だ。鳥栖戦はシュート1本に終わったが、しっかりと守り切って勝点を積み上げた。守備の強度はそのままに攻撃の厚みを出して、2019年のJ1昇格から勝てていない難敵・名古屋を倒せるか。
[ 文:斎藤 孝一 ]
