9月以降に勝利がない湘南だが、今節で勝てばJ2降格圏を抜ける可能性がある。しかし、この試合を落としてしまえば横浜FCに勝点で並ばれ、残留争いはより難しいものになってしまう。
しかし、山口 智監督は「相手の順位とか自分たちの順位、周りの見られ方もありますけど、次の試合へ向けた準備というのは今までと同じようにして臨むだけ」といつもの試合と気持ちは変わらないことを強調している。その理由としては、「『残留争いをしている』、『勝てていない』、『横浜FCとの直接対決』といったところにマインドを持っていかれてしまう」と話す。大切なことは「横浜FCさんの良いところを消す準備と自分たちが良さを出す準備」だ。
警戒すべきはサウロ ミネイロをはじめとしたタレントたち。横浜FCは前節、徳島相手にチームとして5得点を挙げた。その勢いのまま臨んでくるだけに、湘南は気を引き締めなければならない。そのためにも、まずは立ち上がりの時間帯にうまく攻めさせず、相手がフラストレーションを溜める試合運びをしたい。
最近の湘南の課題は90分を通しての試合運びだ。前節・鳥栖戦もリードしながら73分に追いつかれ、引き分けに終わった。前々節・横浜FM戦は66分に、明治安田J1第30節・川崎F戦は66分と90+4分に失点を喫している。CBの大野 和成は「先制点が入ると『点を取りたいけど、取られたくない』みたいな心理状況になる。そこが難しいところ。後半は変に点を取られる場面も多いし、90分を通して良くないことが多い。最後に寄せるとか、細かい部分で失点しているので、キツいときこそおろそかになっている部分がある。いかに90分間やれるか。そうすればおのずと勝点は取れてくると思う」と言う。
結果が遠のいている中、内容よりも求められるのは勝利だ。大野は「『良いサッカーをしたけど勝てなかったね』では済まされない残りの試合数と順位にいます。勝てば見えてくる景色も変わると思うので、本当に勝ちに徹したい」と話す。その中でポジティブなことは、「やれる手ごたえのほうが大きいですし、みんな前を向いてやっている」(大野)ことだ。ここまで内容が勝利に結びつかず、歯痒い思いをしてきたが、この大一番で結果につなげ、残り試合への起爆剤にしたい。
一方の横浜FCも今節で勝てば3連勝となり、逆転での残留へ向けて大きなはずみをつけられる。「まだまだ厳しい現状であることは変わりない」と早川 知伸監督は前節の試合後に話していたが、「自分たちは上の目指すところの背中が見えるところまで来た」と前を向く。
神奈川県内のライバル同士の戦いは、今後の命運を握っていると言っても過言ではない大一番。90分を戦い抜いた先に、どんな結末が待ち受けているのだろうか。
[ 文:舞野 隼大 ]
