G大阪は鳥栖、横浜FM、大分を下して3連勝を飾っていたものの、前節の名古屋戦はホームで1-3。5試合ぶりの敗北を喫した。2試合連続で複数失点を喫している一方で、パトリックが直近2試合で4ゴールと爆発中。この終盤にきて得点を重ね、13得点まで伸ばしている。宇佐美 貴史とともに、チームをけん引している存在だ。パワフルで高さもあるパトリックと、テクニックと強烈な長距離砲を持つ宇佐美のコンビが、王者撃破のために先頭に立つ。ボールを奪ってからの縦に速い攻撃で、前がかりになる川崎Fのスキを突きたい。
ただ、G大阪にとっては川崎Fに対してイヤなデータが残っている。今季はFUJI XEROX SUPER CUPで2-3と敗れ、5月に行われた明治安田J1第13節でも0-2で屈した。さらにさかのぼれば、今年1月1日の天皇杯決勝、昨季に川崎Fがリーグ優勝を決めた一戦で0-5と苦杯をなめるなど、公式戦5試合連続で敗れている。その5試合で12失点と、攻撃力のある川崎Fの軍門に下っている印象だ。
川崎Fは、優勝決定後の前々節・鳥栖戦を1-3で落とした上に、ジェジエウが負傷により長期離脱。「連敗しないこと」を目標に掲げている中、今季2敗目にもペースを乱さず、前節のC大阪戦は4-1と大量得点で勝利を得ている。
そのC大阪戦ではマルシーニョに来日初ゴールが生まれ、そのライバルである宮城 天もひさびさにゴールを奪えた。何より、レアンドロ ダミアンが2ゴール。これで20点目となり、得点ランキングトップに立つ前田 大然にあと1ゴールと迫った。本人は「チームの勝利のためにプレーしている」と“得点王獲得”への欲を見せることはないが、サポーターとしては期待したい記録だ。守備でも猛烈なプレッシャーなどで貢献し、攻撃ではボックス内での稀有な強さと決定力でゴールを狙うハンター。25日には契約延長も発表され、来季は川崎Fでの4年目となる。本人も「再契約ができてとても幸せな気持ちでいっぱい。これからも一緒に歴史を作り続けていきましょう」とコメントした。モチベーション高くG大阪戦を迎えられそうだ。
それに前節先発しなかった小林 悠、知念 慶、遠野 大弥、大島 僚太らも練習でアピールを続けて先発機会をうかがっている。そうした彼らの突き上げによるチーム内競争の激化は、選手にさらなる向上心を生んで、ひいては川崎Fの成長につながる。
レギュラーシーズンは残り2試合となった。悲喜こもごも、さまざまなドラマを内包した2021シーズンもあと少しでエンディングを迎える。川崎Fはホームで集うサポーターの前で勝利をつかみ取れるか。G大阪は、近年悔しい思いをしている相手に対して痛快な1勝を奪うことができるか。
[ 文:田中 直希 ]


