2021シーズン、明治安田J1の最終節。注目は徳島の行方。前々節・FC東京戦(2○0)に続き、前節・湘南戦(1○0)では残留争いの直接対決を制して、17位・湘南と勝点36で並んだ。J1残留もJ2降格もこの一戦にすべてが懸かる。
まず、徳島残留の条件を整理する。
残留争いは清水、湘南、徳島の3チームに絞られた。この中から降格するのは1チームだが、数字の上で残留できる確率が最も低いのは徳島という現状。徳島と湘南は勝点36で並んでいるが、得失点差で圧倒的な優位を誇る湘南が順位で上回っている。よって最終節で敗戦した場合は、湘南の結果を待つことなくその時点で降格がほぼ確定する。
徳島が残留できるのは3つの脚本。1つ目、徳島が引き分けた場合に湘南が敗戦。2つ目、徳島が勝利した場合に湘南が引き分け以下。また、3つ目は徳島も湘南も勝利したが、清水が敗戦した場合。このときは3チームが勝点39で並び、得失点差で15位・湘南、16位・徳島、17位・清水と順位が大きく入れ替わることになる。
いずれにせよ、徳島が残留の可能性を1%でも高めるためには勝利を目指すのみ。他会場の情報を取りながら試合運びなどしていては、痛い目に遭うのが通例。「自分たち以外の情報は見る必要がない。自分たちができることにフォーカスし、その中で勝利を目指す。そのあとに他会場の結果を見るだけ」(ダニエル ポヤトス監督)。この指揮官の言葉に正解がすべて詰まっている。あとは、勝利を引き寄せられるかどうかだけだ。
徳島の注目は、チーム最多8得点を挙げている垣田 裕暉。昨季は垣田の得点でJ1昇格を決めたが、今季は垣田の得点でJ1残留を決められるかどうか。もう1人が宮代 大聖。今季、川崎Fから期限付き移籍で加入したが徳島にとって欠かせない存在になった。結果としても7得点を挙げており、前節・湘南戦でも宮代のキック精度を生かしたサインプレーから得点が生まれた。勝利するためには得点が必須だが、徳島残留のカギを握るであろう2選手だ。
対する広島は直近5戦で白星がないだけに、なんとしても勝利で今季を締めくくりたいはずだ。注目は徳島に縁のある選手たち。前節・FC東京戦で広島復帰後初得点を挙げた塩谷 司は、徳島県出身ということでこの一戦に懸ける思いもあるだろう。もう1人が柴﨑 晃誠。徳島が初めてJ1昇格を成し遂げた際の立役者。前節・FC東京戦で負傷交代したのが気がかりではあるが、広島としても戦いのカギを握る選手だけに出場可否は気になるところだ。
徳島は勝利し、残留の可能性を最大値まで引き上げられるか。広島は白星フィニッシュなるか。泣いても笑っても、これで2021シーズンのJ1リーグは閉幕する。
[ 文:柏原 敏 ]


