その名古屋もプレシーズンの沖縄キャンプではコロナ禍に見舞われ、練習を中断せざるを得ない状況になった。予定していた練習試合も次々とキャンセルされ、実戦不足の中で今季の開幕を迎えた。
その開幕戦は、神戸を相手に昨季のチーム得点王・稲垣 祥の得点とオウンゴールで2-0の快勝。長谷川 健太新監督にとって良い船出となった上で、急きょ日程が空いたことにより、「キャンプで落とし込み切れなかった戦術面でのトレーニングを進めることができた」と長谷川監督。超守備的な戦術からアグレッシブなスタイルへ変換を図っている中で、どんな攻撃を繰り出すのかが一番の見どころである。
さらに新加入選手にも注目したい。特にMF仙頭 啓矢とFW酒井 宣福。ともに鳥栖に所属していた昨季、J1でのブレイクを果たしており、今季に向けて名古屋が熱烈なオファーを出した。
仙頭には司令塔として、フィニッシュにつながるパスの配球とこれまでの名古屋になかった中央からの崩しが、酒井には得点力はもちろん、類まれなフィジカルの強さを生かした前線でのポストプレーが求められる。古巣を相手にどんなプレーで恩返しするのか見てみたい。
対する鳥栖は、リーグ戦2試合を戦い、いずれも引き分けで勝点2を得ている。JリーグYBCルヴァンカップでも開幕戦は引き分けたが、今週水曜日に行われたCグループ第2節・京都戦では1-2と今季公式戦初黒星を喫した。
今季の鳥栖は、名古屋に移籍した仙頭や酒井のほかにも、小屋松 知哉(柏)やエドゥアルド(横浜FM)のように、昨季主力を務めた多くの選手が新天地に活躍の場を移した。監督も川井 健太新監督となり、昨季までの“魅せるサッカー”を継承しつつも、新たなエッセンスを加えている最中。ひたむきで、アグレッシブで躍動感のあるサッカーがどう進化されているか。チームとしては、まず今季の公式戦初勝利をつかんでおきたいところだ。
その中で、注目したいのがFWの藤原 悠汰。ルヴァンカップCグループ第1節・札幌戦で結果を出した大卒ルーキーは、J1第2節・湘南戦でも続けて先発起用され、左からのクロスに足を大きく伸ばし、先制点となるゴールを決めている。その藤原は鳥栖のエースに名乗りを上げられるのか。堅い守備を誇る名古屋を相手にどれだけできるのか。今後を占う試金石となる。
新監督の名前は、どちらも“健太”という“健太ダービー”。果たしてどちらのチームがファン・サポーターに大きな喜びを与えられるのか。熱い戦いを期待したい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
