横浜FMは前節・札幌戦の後半アディショナルタイム、實藤 友紀のオーバーヘッドで追いつき、勝点1をもぎ取った。価値あるドローではあったが、前半に右ウイングのエウベルを軸に数多く創出した決定機をモノにできなかったことが苦戦の一因に。その反省を踏まえれば、今節は決定力にフォーカスしなければならない。
一方、ポジティブな材料もある。開幕以降、多くのケガ人を抱えてきた横浜FMだが、復帰する選手も増えてきた。札幌戦のマルコス ジュニオールと渡辺 皓太に続き、今節は15日の練習でフルメニューを消化した主将・喜田 拓也と畠中 槙之輔が戦列に戻ってくる見通し。主力2人の復帰でボランチとCBのポジション争いに拍車が掛かりそうだが、やり繰りに苦心してきたケヴィン マスカット監督にとっては朗報だろう。
特に角田 涼太朗の台頭が目覚ましいため、CBの大黒柱である畠中には期待がかかる。2月27日の明治安田J1第2節・柏戦で腿裏を痛めたが、「治療する時間をもらい、試合に出る良い準備はできている。最後は監督の決断」と先発復帰へのスタンバイは完了済みだ。
そして札幌戦に途中出場し、コンディションを上げてきているのがマルコス ジュニオール。離脱期間中に台頭した若手について、「みんなでマリノスのサッカーをすれば、チームとして良い方向に向かっていくし、もっともっと上に行ける力を秘めている」と信頼を口に。主力と新たな力の融合も楽しみな要素となる。
対する鳥栖は前節・浦和戦でマンツーマンディフェンスを完遂。ウノゼロで今季初勝利を手にした。今季のチーム平均走行距離は127.539㎞とリーグでダントツの数字をマークするだけに、今節もその走力がキーポイントになるだろう。そこで懸念材料になるのが、横浜FMよりも1日短い中4日の準備期間か。さらに長距離移動を伴うアウェイ戦ということもあって、126.039㎞を走り切った浦和戦と同等のパフォーマンスを維持できるかが焦点となる。
今季就任した川井 健太監督は2020年まで指揮を執った愛媛でボールを大事にするポゼッション型のスタイルを構築。昨季途中からは元横浜FMのヘッドコーチで、現山形監督のピーター クラモフスキー氏を参謀役として支えてきた策士でもある。非常にハイテンポな今季の鳥栖のスタイルは、横浜FMのアタッキングフットボールとも親和性がありそう。同じく走力を売りとするトリコロールとどれだけ渡り合えるか。オフに多くの戦力を引き抜かれ、決して前評判が高くなかった鳥栖にとって、今後を占う上で試金石となる一戦になる。
[ 文:大林 洋平 ]
