横浜FMは前節、ニッパツ三ツ沢球技場に鳥栖を迎えた。両者ともにハイテンポなスタイルを志向しており、好ゲームが期待されたが、季節外れの冷雨に水を差されてしまう。水たまりが至るところにできたピッチコンディションでボールがたびたび止まり、特に後半は肉弾戦の様相に。結局、横浜FMは今季初の無得点でスコアレスドローに終わった。
それから代表ウィークに突入したため、横浜FMは2週間ぶりの公式戦となる。その期間の過ごし方について、ケヴィン マスカット監督はこう語る。
「連戦で多くの選手を使ったので、リフレッシュが大きな目的だった。そして、良いところを伸ばしていくことも大事だと考えている。具体的には試合の映像を見ながら、『ここはもっと伸ばそう』、『ここは足りないからこうしよう』と成長を促す形をとってきた」 これまでは連戦が続いた上、ケガ人が続出したため、なかなか修正点をすり合わせる時間を取れず、リカバリーとブラッシュアップに時間を割いてきた。幸い、鳥栖戦前に出た新型コロナウイルス感染症の陽性者やケガ人も戻りつつあり、指揮官が一定の人選の選択肢を持って週末を迎えられるのは好材料だろう。
何より、『30周年記念試合』と銘打った横浜FMにとっての大一番。当日はピッチ外でもフロントが趣向を凝らし、さまざまな企画を仕掛ける予定で、クラブ一丸となって盛り上げている。「クラブの30年は素晴らしい歴史を刻んできた。自分たちは責任を持ち、それをピッチで表現し、ファン・サポーターが誇りに思える最高の試合をする」。指揮官の力強い言葉が“マリノスファミリー”の総意だろう。
敵地に乗り込むFC東京は好調を維持。開幕戦こそ王者・川崎Fに敗れたものの、今季から取り組むポジショナルプレーに一定の手ごたえをつかむと、そこから連勝街道に入った。昨季から180度転換したアルベル監督が志向するポゼッション型の新スタイルに耳目が集まりがちだが、すべて1点差で制してきた勝負強さと、3試合で1失点の堅牢な守備も見逃せない。
GKヤクブ スウォビィクのシュートストップは本物で、数々のピンチを救ってきた。そして、忘れてはならないのが超大物高卒ルーキー・松木 玖生。インサイドハーフで堂々たるプレーを見せており、プロ初ゴールにも期待がかかる。
5カ月前の前回対戦は横浜FMが8ゴールで大勝し、FC東京を退けた。同カード3連勝中の横浜FMが記念マッチに勝利で花を添えるのか、“アルベル・トーキョー”が屈辱的な大敗を払しょくする勝利を収めるのか。両者のスタイル的にはがすか、ハメるかの好カードでもある。
[ 文:大林 洋平 ]

