中3日と準備期間は短いが、今節は団結力が増し自信を膨らませた広島の姿が見られるはずだ。湘南に勝利を収めたあと、ミヒャエル スキッベ監督はここまでの道のりを感慨深く振り返っている。
「いまはホッとした気持ちとうれしい気持ちがある。ここまで本当に道のりは長かった。入国できずにすべてのプレシーズンを遠くから参加する状況になり、日本のスタッフとドイツからリモートでやりながら進めていった。そして、いざ日本に来られてからもなかなか結果がついてこなかった。ただ、その中でもみんなで一丸となって働き続け、やっと取れた勝点3だった。ここからまたさらにチームワークが良くなり、どんどん強くなっていくのではないかと思う」 初勝利までの道は険しいものだったが、広島は全員で前へ進んできた。ミヒャエル スキッベ監督が導入したアグレッシブなサッカーに選手もスタッフも同じ方向を向いて取り組み、指揮官が来日してからは細部を突き詰めていく中で、得点を奪うためにクロスからの攻撃に時間を割いてトレーニングを積んできた。湘南戦の得点が右ウイングバックの藤井 智也のクロスを左ウイングバックの満田 誠が走り込んで決めたものだったことが、チームが日々成長していることを物語っている。
横浜FMも前進を続けている。明治安田J1第4節の札幌戦に引き分け、前々節の鳥栖戦はスコアレスドロー。少しだけ停滞感があったものの、2週間の準備期間を経て臨んだ前節は西村 拓真とアンデルソン ロペスの得点でFC東京を退け、3試合ぶりに勝利した。
「クラブ30周年の特別な夜に、自分たちのサッカー、自分たちの姿勢をしっかり見せることができました。良い結果を残し、見守っていただいたファン・サポーターの方には、気持ちよく家路についていただけたと思います」とケヴィン マスカット監督が試合を振り返っているように、メモリアルな一戦で満足いく内容と結果を残したチームは、広島にも勢いを持って臨んでくるだろう。
広島も『オリジナル10』の一員として今年、クラブ30周年を迎えている。Jリーグ史に最初から刻まれてきた広島と横浜FMの対戦成績は、広島側から見て19勝7分34敗。横浜FMが大きく勝ち越していて、エディオンスタジアム広島でも広島の10勝2分13敗。横浜FMが勝利数で上回っている中で、今節はどんなゲームが繰り広げられていくのか。
ミヒャエル スキッベ監督の下でハイプレスを掛けていく広島は、相手がリーグ最多得点を挙げている横浜FMであっても決してひるむことなく果敢に向かっていくはずだ。アップテンポな好ゲームが展開されるに違いない。
[ 文:寺田 弘幸 ]