苦しい状況から抜け出せず、もどかしい戦いを続けている神戸。前節はホームに磐田を迎えて戦ったが、相手の4倍ものシュートを放ったにもかかわらず無得点で引き分け。迎えた再三のチャンスは相手GKのビッグセーブもあり、こじ開けることはかなわなかった。14日の明治安田J1第13節・鳥栖戦で今季リーグ戦初勝利を飾り、反撃の機運を盛り上げたかに見えたが、続く川崎F戦、湘南戦と連敗を喫する。負の連鎖を断ち切るために強い気持ちを入れ直して臨んだ前節でも勝利を手繰り寄せることはできなかった。
ロティーナ監督就任以降、攻守に組織的なサッカーこそ間違いなく前進を見せている。磐田戦では、ほとんど相手にチャンスを与えないディフェンスを見せ、効果的なボール回しから多くのチャンスメークに成功している。主将のアンドレス イニエスタは「勝つためにやるべきことはすべてやった試合だったと思います。唯一、ゴール前での命中率がなかった、足りなかったところだけだと思っています」と試合を振り返った上で、「自分たちとしてはこのやり方を信じて、続けていくしかないですし、流れがどこかで変わってくれると思います。ここまでチャンスが入らないことも普通ではないと思うので、きっとゴールが入り出すときが来ると思います」と言葉を寄せる。そして、チームがいかに戦っていくべきかを次のように述べた。
「チームとしていま難しい状況にいる中で、すべての人が一緒になって戦うことは大事なことだと思います。今季は難しいシーズンになってしまうのは分かっているので、一体になって、一致団結して戦っていく姿勢を見せていくことが大事だと思っています」 苦境に立たされているからこそ、よりチームとしての和が試されているとも言える。勝利こそ得られなかったが、磐田戦で確かに見せた闘争心を今節も発揮し、その先にあるはずの勝利に挑んでいくのみと言えそうだ。
そんな神戸のホームに乗り込む札幌もまた、立て直しを期する一戦だ。前節は、勝点差1できっ抗していた柏をホームで迎撃。上位追撃のために勢いをつかみたい試合だったが、開始10分で退場者を出す苦しい展開を強いられ、ほとんどの時間を数的不利で戦わざるを得なくなった。それでも、チームは元来の持ち味であるアグレッシブな姿勢を最後まで貫いた。ペトロヴィッチ監督は「失点を重ねる中でも選手たちが最後まで心を折らずに一矢報いようとしてくれたこと。その姿勢は非常に良かったと思う。そうした姿勢を持ち続けることが今後に生きてくるはずです」と選手を称える。結果的に6失点で大敗を喫することになったものの、戦い抜いた姿勢はチームのメンタリティーを着実に強固にしたとも言えるだろう。
両者ともにケガ人など主力メンバーの一部を欠きながらこの連戦を戦っており、指揮官がどういうメンバー編成で挑むかは未知な部分も多い。それでも前節から中3日で相まみえるこの一戦では両者ともに巻き返しを期す強い気持ちを前面に、一歩も引かない戦いを繰り広げることになりそうだ。
[ 文:小野 慶太 ]
