前節・清水戦をアウェイで戦ったFC東京は、3得点を奪い5試合ぶりの勝点3を手に入れることに成功した。試合内容を振り返ってもポジティブな材料が多く、90分の中で長い時間ボールを握りながらゲームをコントロールすることができていた。前半の終了間際と後半の中頃に左SBの小川 諒也が挙げた得点は、1点目が最終ラインからのビルドアップを起点に多くの人数が関わって生まれたもの、2点目が即時奪回を意識したハイプレスをきっかけとしたものと、チームの狙いが体現されていた2得点であった。
試合後、就任1年目となるアルベル監督も今季ここまでのゲームの中で最も納得したコメントを残しており、チームとしても自信を深める勝利となったことは間違いない。
その良い流れを保ったまま迎えることができる今節、勝点8差で首位につける鹿島に対しても真っ向勝負を挑みたいところである。まず、ポイントはボールを握る時間を増やせるかどうか。そこの可否でFC東京が描くゲームプランは大きく変わってくる。ボールをしっかりと握り、ポゼッション率を高めてゲームを進めていくことができそうなのであれば、攻守で縦に速い鹿島の圧力と勢いをうまくかわしながら、ボールとともにチーム全体で前進していくことが求められる。
今月に入ってからチームはボール支配率で相手を上回るゲームはできていたが、なかなかそれが結果に結びつかず、少しずつ停滞感も漂い始めていた。その中で清水戦は理想どおりの形で勝利。チームの視界が一気に開けた。そのサッカーを首位・鹿島相手にも披露することができるか。4月6日の明治安田J1第7節・神戸戦以来となる味スタでの勝利を飾りたい。
対する鹿島は前節、鳥栖を相手に激闘を演じた。前半のうちに2点のリードを許し、さらに後半開始早々には致命的な3点目を献上。ゲームは終わったかと思われた。しかし、そこから驚異の力を見せる。52分に樋口 雄太のゴールで1点を返すと、68分に上田 綺世が決めて1点差に。そのまま攻め続けると、後半アディショナルタイムに土居 聖真と染野 唯月が立て続けにゴールネットを揺らし、ついに逆転した。ところが、ここでゲームは終わらず、ラストプレーで同点に追いつかれ、4-4でタイムアップを迎えた。
消耗の激しい一戦を終えてアウェイに乗り込む今節は、まず何よりも切り替えて臨むことが大切となるが、気になるのは選手たちの疲労度。開幕からここまで先発メンバーのほとんどを固定して戦ってきており、この連戦中もリーグ戦での先発の顔ぶれは一切変わっていない。メンタルとフィジカルの両方のコンディションが問われるゲームになりそうだ。
[ 文:須賀 大輔 ]
