『3年計画』の3年目として、リーグ優勝を目標に掲げてシーズンインした浦和。2月12日に行われた最初の公式戦、FUJIFILM SUPER CUPでは前年リーグ王者の川崎Fを退け、大いに期待を抱かせた。
ただ、そこから先はすべてが誤算だった。リーグ開幕を目前にして新型コロナウイルス感染症の陽性者が続出。選手もスタッフもまるで人数が足りない状態で臨んだ開幕戦を落とすと、今冬にW杯を控えた過密日程に突入。続く明治安田J1第9節・神戸戦と第2節・G大阪戦で続けて退場者を出して勝点を取り逃すなど、歯車がかみ合わず、天秤が良い方向に振れないまま試合を重ねていった。4月中旬からはタイに飛び、AFCチャンピオンズリーグではグループステージ突破を決めるなど持ち直したかに見えたが、リーグ戦では4月以降未勝利が続く。
負けはしないが勝てもしない、相手にチャンスを作らせないがこちらがチャンスを決め切れない試合が続き、気がつけば9試合連続の未勝利。そのうち8試合が引き分けという結果で、観る者もピッチ内の選手たちもストレスを抱えたまま中断期間に突入。天皇杯2回戦で福島に勝利したことが唯一の慰めとなった。
「非常にたくさんの試合があり、ストレスやフラストレーションを多く抱えていた時期のあとのオフでしたので、選手たちもスッキリとした表情で帰ってきました。心身ともにフレッシュな状態で戻ってきたと思います」(リカルド ロドリゲス監督) この名古屋戦までは2週間以上のインターバルがあったが、チームは最初の1週間をオフに充てた。選手たちは体を休め、つかの間の観光を楽しむなどリフレッシュ。良い状態でトレーニングを再開できたようだ。
4月5日にチームに合流したかと思えばすぐさまブリーラム遠征、その後も連戦続きと来日直後から忙しい日々が続いていたアレックス シャルクも、「適合するための期間だった」とこの2カ月を振り返り、「銀座や渋谷を観光し、温泉のあるホテルでリラックスできた」とご満悦。「攻撃の最終フェーズをしっかり練習できた。準備したことを試合で表現できれば」と重要な一戦に向けて準備している。
対するアウェイ・名古屋も良い前半戦とは言い難い。リーグ戦は10位で14得点は浦和よりわずか『1』多いだけ。こちらも得点力不足に悩まされている。ただ、直近のJリーグYBCルヴァンカッププレーオフステージでは京都に2戦合計7-1と大勝。直近のリズムと試合感覚は浦和よりも優位にある。休み明けの浦和に対して機先を制し、こちらもシーズン後半戦に向けてはずみをつけたいところだろう。
勝点や順位状況から、優勝を目指すことは現実的に厳しくなっている浦和。だがしかし、後半戦で躍進を見せて、少なくとも「前半戦のつまずきがなければ……」と思わせる戦いを見せ続けなければならない。勢いを持って後半戦に突入するためにも、絶対に落とせない試合となる。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
