両者はこれが今季五度目の対戦。ここまで明治安田J1、JリーグYBCルヴァンカップ、天皇杯とすべてのコンペティションで激突してきた。戦績は湘南が2勝1分1敗と勝ち越しているものの、直近の対戦である天皇杯3回戦では、黒川 淳史のゴールを守り切った磐田が白星を飾っている。今回はどんな結末が待っているか。お互いに相手の手の内を知り尽くしているだけに、その駆け引きにも注目したい。
ただ、リーグ戦での調子は対照的なものとなっている。
最下位に沈んでいる磐田は前節、FC東京を相手に立ち上がりで2点のビハインドを負う展開に。後半はジャーメイン 良や金子 翔太など途中から出場した選手たちが勢いをもたらし反撃に転じたものの、最後までゴールを破ることはできず。4試合続けて無得点での敗戦と、今季最大の危機を迎えている。
その中で、FC東京戦から中2日で行われた天皇杯ラウンド16・東京V戦では、ジャーメインが後半終了間際に同点弾を決めて久しぶりの得点が生まれた。これについてはポジティブに捉えたい。もちろん、最終的には延長戦の末に競り負けてしまったので満足はできないが、30分あたりまではアグレッシブなプレーも随所に見られた。その上で伊藤 彰監督はこう語っている。
「選手たちもメンタルの部分を立て直そうと、ミスを恐れないことを再認識した上でやってくれている。まだまだ拭い去れていない部分もあるとは思いますが、この前の天皇杯で1つゴールが生まれたことで顔つきも変わってきたし、得点が入ったことで気持ちがラクにはなったと思う。修正するところはいっぱいあると思いますが、まずは戦える本能やメンタリティーが重要なピースになる」 今節は大津 祐樹とリカルド グラッサが出場停止となるが、リーグ中断期間中にファビアン ゴンザレスが全体練習に復帰。もちろんまだ万全とは言い切れないものの、前線にパワーをもたらせる選手が帰ってきたことは、いまのチーム状況を踏まえても大きな希望だ。今節をターニングポイントに、最下位からはい上がっていくパワーを見せられるか。
対する湘南は、第17節まで自動降格圏に沈んでいたものの、6月以降は3勝3分と無敗をキープし、磐田と6ポイント差をつける12位へと浮上している。この良い流れをリーグ再開後も継続することが大きなテーマだろう。
好調の原動力となってきた町野 修斗は、中断期間中に行われたEAFF E-1 サッカー選手権で日本代表としてプレーし、チーム最多タイの3得点を奪取。また、優勝を懸けた韓国代表戦でゴールマウスを任された谷 晃生もクリーンシートを達成し、大会制覇に貢献。代表から戻ってきた彼らの活躍には注目が集まる。
その谷を擁する湘南の守備は、6戦無敗の期間でわずか1失点。攻撃で迫力を見せ切れていない磐田が、湘南の堅守をこじ開けられるかが勝敗を左右する最大のポイントとなりそうだ。
[ 文:森 亮太 ]
