ともに新型コロナウイルス感染症の陽性者が続出して、メンバー構成に苦しむ状況が続いたが、ここに来て戦力的に回復。コンディション的にも、指揮官の采配の幅においても、通常に近いところに戻りつつある。
また、そんな緊急事態下での戦いを経て、両チームともにチーム内の一体感、結束力がさらに高まったことも確か。福岡が13位、川崎Fが6位と順位に差はあるものの、中身の濃いゲームが期待できそうだ。
明治安田J1第24節・G大阪戦がコロナ禍の影響で中止となった福岡は、前節で上位を争う鹿島と対戦。その前のJリーグYBCルヴァンカップ準々決勝の2試合では空きがあったメンバーリストを埋めることができた。序盤に不運なオウンゴールで先制を許すが、その後はルヴァンカップで活躍したジョン マリ、ルキアン、フアンマ デルガドの前線3人の働きで好機を作る。それをモノにできずに時間が進み、さらに前がかりになった後半アディショナルタイムに2点目を失って、0-2の敗戦。リーグ戦では2連敗となっている。
鹿島戦のサブメンバーには主将の前 寛之、チームトップスコアラーの山岸 祐也、鋭い突破が武器の田中 達也、今季ブレイク中の北島 祐二が復帰し、それぞれ時間は異なるが、途中出場を果たした。さらに今節で復帰できる選手も何人かいそうである。緊急事態下を戦ったメンバーとの混合で、どういう構成となるのか。特にルヴァンカップ準々決勝2戦で威力を発揮したジョン マリ、ルキアン、フアンマのトリオと山岸らをどう組み合わせるのか、長谷部 茂利監督のアタッカー陣の起用は気になるところだ。
川崎Fは鬼木 達監督が「大一番」と表現した第24節・横浜FM戦をジェジエウの終了間際のゴールで2-1の勝利を収めた。鬼木監督は試合後に「気持ちの勝利」と話し、チームの一体感も含めて足踏み状態から抜け出す契機となると考えた。しかし、ルヴァンカップ準々決勝・C大阪戦はアウェイゴール数の差により敗退が決定。そして前節の京都戦は台風の影響で中止となった。これを酷暑での連戦による疲労回復のための良い期間になったと捉えられるか。メンタルの在り方も、今節を戦う上でのポイントになるかもしれない。
優勝争いに食らいついていきたい川崎Fはもちろん勝利を狙うだろうが、J1参入プレーオフ出場圏の16位・神戸との勝点差が『3』に迫る福岡も勝って連敗を止めたいところ。福岡は10位・名古屋とも勝点3差なので、下を見るより上を見たエネルギー出力で勝点獲得に向かいたい。
試合の構図はやはり“福岡の堅守”対“川崎Fの攻撃力”になるだろう。川崎Fが先制に成功すれば川崎F優位で進み、失点ゼロの時間が延びれば福岡の勝利の確率も上がるという展開を予測するが、結果は果たして……。
[ 文:島田 徹 ]


