しかし、前節の負けは衝撃的だった。優勝を争う広島に対して、途中までは互角の戦いを演じていた中、65分に塩谷 司が退場。その影響を受けたのは、むしろ清水のほうだった。後ろに下がり中を固めた広島の守備陣を崩すことができず、奪われてカウンターを受ける。83分には前線のドウグラス ヴィエイラが起点になり、最後は柏 好文のクロスを川村 拓夢に押し込まれ、まさかの先制点を許してしまう。さらに後半アディショナルタイムには、川村に約60mのロングシュートを決められて0-2。清水は数的優位を生かすことができなかった。
広島戦は6試合ぶりの敗戦だけではなく、13試合ぶりにノーゴールに終わった試合でもある。北川 航也が「最後のところでディフェンスラインが体を張っていて(相手に)先制点を取られていないことが勝ちにつながっている」と話すように、守備陣が耐えたことが結果につながってきていたが、今度は攻撃陣がチームを勝利に導く活躍を見せたいところ。
今節対峙する湘南との前回対戦では4-1と大勝している。その試合で1得点2アシストと、3得点に絡む大活躍をしたのは鈴木 唯人だった。湘南と対戦するにあたり、「自分個人としてはやりやすい相手という印象があるので、思い切ってできると思う」と活躍を期待させる発言をしている。負傷離脱から戻ってきた鈴木 唯人の完全復帰で、チームは息を吹き返すか。
一方の湘南は前節、川崎Fと対戦。20分に先手をとられたが、53分に町野 修斗が自ら得たPKを見事なコースに蹴り込み、得点ランクトップまであと1点に迫る9点目で同点に追いつく。さらに、90+3分だった。山田 直輝の折り返しを阿部 浩之が押し込んで逆転のゴールを決めた。
湘南は今季、川崎Fに対して2連勝。勢いに乗っていることは間違いない。水曜日に行われた直近の第25節・横浜FM戦では3失点の完敗となったが、それでも自信が揺らぐことはないだろう。なぜなら、湘南は消化試合が1試合少ない中で、清水とは勝点2差。背中が見えてきているからだ。精神的に有利とされる追う立場の湘南だが、あとは肉体的な疲労がどの程度抜けるかということになるだろう。横浜FM戦は大雨が降り、足元が滑るピッチコンディションの中で行われた。走力を基本としたサッカーを見せている湘南にとって、体力の回復が勝負を分けることになるだろう。
消化試合数に差はあるが、勝点2差の両者。清水としてはホームで心強いサポーターの前で戦うことができ、勝てば湘南を突き放すことができる。一方、湘南が勝利すれば順位が入れ替わるため、両者モチベーションは高く臨むことができるだろう。下位直接対決は、これからの残留争いに向けて重要な一戦になる。
[ 文:田中 芳樹 ]

