公式戦3連敗を喫していた神戸だが、10日の明治安田J1第29節・名古屋戦で勝点1をつかんで連敗をストップさせた。立ち上がりから激しいサッカーを展開し、前線のプレスに中盤が連動。バックラインも果敢なラインアップを実行するなど、攻守にまとまったサッカーを披露した。その根底にあったのはアグレッシブに戦うという共通した意志であり、勝ち切れなかったことに悔しさをにじませつつも、チームとして確かな自信を得る試合になった。
リーグ戦では3試合ぶりの先発となったGK飯倉 大樹は、持ち前のビルドアップ能力でチームを後方支援。「長いボールで回避する手もあるけど、蹴ってうまくいかないと流れがどんどん悪くなっていってしまう。そこはどうにか俺が出ることで変えたいと思っていた」。この飯倉の言葉は、選手それぞれが抱く考え方でもあるだろう。アグレッシブに戦うという大枠のテーマを実行しつつ、吉田 孝行監督がデザインした戦い方に選手個々が自らのカラーを持ち込んでチームに貢献する。選手本来が持つチャレンジ精神や目の前の相手に負けない気迫を見せることは勝点を積み上げる大きな力だ。
ノエビアスタジアム神戸での連戦下、17位につけるチームにとっては目の前の試合に集中し、ひたすら勝点を積み上げていくしか残留争いで勝ち残る道はない。酒井 高徳は現実を直視し、それぞれが持つべきメンタリティーを強調する。
「この状況に陥らせたのも自分たちだし、苦しい思いをして、ハードな思いをしながら試合に勝たないといけない状況を作ったのも自分たち。その責任と覚悟を持ってやり通すことを、残りの試合もやっていかないといけない」 名古屋戦後に「この勝点1を次の試合は勝点3に変えられるように頑張っていきたい」と話した指揮官の下、今節も“一致団結”の力をぶつけ、勝利を目指していくことになる。
一方、現在8位につけるFC東京は、ここまで『40』の勝点を積み上げてきた。上位争いに食らいつき、少しでも順位を上げていくためには、下位から着実に勝点を奪うことが求められる。
ただ、10日の第29節・G大阪戦では、立ち上がりから相手のハイプレスに捕まり“あわや”のシーンを作られてしまうなど、うまくペースをつかむことができなかった。元来持っている強度のあるプレッシングサッカーにアルベル監督のポゼッションサッカーが着実に落とし込まれてきている首都クラブだが、G大阪戦で出た反省を着実に修正し、敵地に乗り込むことは大きなテーマとなる。
両者の対戦では、どちらのプレスが相手のポゼッションを阻害するか、反対にいかにボールを動かして相手の守備を無力化するかが焦点。立ち上がりから見逃せない瞬間が連発する、スピード感あふれるマッチアップとなりそうだ。
[ 文:小野 慶太 ]
