対する清水は12位と、順位上で見れば少し余裕があるように見えるが、福岡との勝点差は『4』。今節で負けると一気に緊迫した状況に陥る。つまり、両者にとって今節は残留を果たすために非常に重要な位置づけのゲームとなる。
福岡は前節、リーグ屈指の得点力を誇る横浜FMを1失点で抑えた。長谷部 茂利監督も「回数は少なかったがチャンスを作ることができた。また失点しそうな場面はそんなになかった。GKを含めた守備陣がうまく立ち回った。出来としてはそんなに悪くない」と現在のチーム状況について話している。
ただ、1失点と無得点で敗戦していることは事実で、それを受け止めて攻守の課題にも言及。「失点場面を振り返ればパスを出した選手がフリー。つまりファーストDFが行けていないということ。また背後を取られているのはスペースを消すことができていないから。攻撃はペナルティーエリア内に進入する回数と、そこに関わる人数を増やすこと。それがキーファクター」と話し、それぞれの改善が今節での勝点獲得につながる。
福岡の現状は芳しくないものだが、長谷部体制になって3年目。初年度から一体感を武器にクラブにおける数々の歴史を塗り替えてきたチームで、その結束力は依然として強い。主将の前 寛之も「残留争いの経験がある選手に聞くと、降格するときはチームがどこかバラバラになっていると言う。でもウチは良くないところを皆で話して改善していくところがある」と、苦境下にあってもチームにはまとまりがあると明かす。非常に厳しい残留争いを勝ち抜くために、“一体感”ほど頼りになる武器はないかもしれない。
8戦未勝利の福岡に対して清水は3勝3分2敗と、まずまずの戦績と言える。しかし、残留争いのライバルである湘南との前節は、チアゴ サンタナのゴールで先制したが、終了間際に追いつかれて、勝点3を逃している。まずはそこからのメンタルの回復が不可欠。
同時に、チアゴ サンタナが振り返っているように、湘南戦の後半は自陣でブロックを組む相手守備陣を前に有効なスペースを作り出せず、追加点を奪えなかったことがドローに持ち込まれた一因になった。福岡は前向きな守備と自陣で構える守備の使い分けがうまいチームなので、攻撃面での課題修正は今節の大事なポイントになりそうだ。
前回対戦は明治安田J1第17節で、清水が西澤 健太、チアゴ サンタナ、ベンジャミン コロリの得点で3ゴール。福岡の得点は終盤の山岸 祐也の1点のみで、清水がゼ リカルド監督の初采配を勝利で飾った試合だ。福岡はその時点でシーズン最多の3失点を喫しての敗戦だった。
ホームのアドバンテージを生かして福岡が前回対戦のリベンジを果たすのか、それとも清水がシーズンダブルを果たすのか。
[ 文:島田 徹 ]


