豊田スタジアムで行われるのは、10位の名古屋と、首位・横浜FMの一戦。名古屋は数字上、ギリギリ降格の可能性を残しているが、下位同士の直接対決もあるためほぼ安泰で、プレッシャーなく戦える状況にある。逆に横浜FMは2位・川崎Fに勝点差5をつけているが、タイトル奪還に向け、今節もしっかりと勝点を積み重ねたい。
代表ウィークを挟んだが、名古屋は現在リーグのトップ3チームとホームで3連戦を行っている最中だ。前々節は川崎Fを相手に1-1の引き分け。先制点を奪われたものの、稲垣 祥の伝家の宝刀とも言えるミドルシュートが決まり、2位チームに追いついた。そして前節は3位の広島との対戦。押し込む時間は多く何度かチャンスを作ったが、決定機は相手GKのファインセーブに阻まれ、得点を奪うことができず、0-0の引き分けとなった。
上位を相手に意地を見せた格好だが、今節、横浜FMに簡単に負けたら、それこそタイトル争いをしている川崎Fや広島に非難されかねない。最低限引き分け、もしくは勝点3を得て、タイトル争いをより白熱する状況にしたい。
そして、当然ながら自分たちの力を示したい舞台である。名古屋は夏の移籍期間で獲得した選手が出場できるようになった明治安田J1第23節・札幌戦以降、3勝5分1敗と、しぶとい戦いができるようになった。
選手層が厚くなったことや、守備意識が強まったことが好調に転じた要因だが、やはり勝ち切れていないことで強くなったという印象は薄い。それを払しょくするために、この横浜FM戦はちょうど良い機会になる。リーグ最高の攻撃陣を、得意の堅守で抑え込みつつ、逆にチャンスで一太刀浴びせられるか。終盤戦になって、名古屋の力は本物であることを多くのサポーターの前で証明したい。
一方、横浜FMも前節は札幌とスコアレスドローで勝点1を分け合った。交代メンバーも含めて積極的に得点を狙いにいく姿勢を見せたが、ネットを揺らしてもオフサイドや、VARが介入し取り消されるなど、得点を奪うことができなかった。
リーグトップの得点数を誇る横浜FMにとっては、第14節・福岡戦以来およそ3カ月ぶりの無得点。ケヴィン マスカット監督は「フラストレーションのたまる試合になった」と振り返ったが、堅守・名古屋の壁を打ち破り、首位のポジションを万全なものにしたい。
なお、この試合は前節に続き名古屋の『クラブ創立30周年記念試合』となっている。大々的なイベントが行われ、たくさんの来場が予想される特別なメモリアルゲームで負けることはできない。順位というプレッシャーのない中で、のびのびと自分たちのやりたいサッカーを表現し、来季につなげたい試合でもある。
[ 文:斎藤 孝一 ]
