神戸は前節、敵地で福岡に1-0で勝利。前々節ではG大阪に2-1で勝利しており、2試合続いた残留争い直接対決を見事に制した。連勝を『3』に伸ばし、4戦無敗と“進撃モード”に入っている。
戦い方も安定感を見せる。守備で[4-4-2]のオーガナイズを組みつつ、ボールポゼッションに移ると前線の小林 祐希は臨機応変なポジショニングを駆使して、中盤でのボール支配に力を注ぐ。最前線に立つのは、復帰戦のG大阪戦で2得点を挙げた大迫 勇也だ。福岡戦ではフル出場。最高のストライカーが完全復帰を果たしている。武藤 嘉紀や汰木 康也のパフォーマンスも高く、吉田監督が採用した選手の組み合わせが1つの結果を導き出している。
そして、好調の背景にはハードに戦うメンタリティーがある。クラブ関係者やサポーターも含めた“オール神戸”の一体感が、ここへきて今季最高クラスの強度を出してきた。ピッチに立つ選手がそれぞれ宿す思いをワンプレーから体現し、決してあきらめず、最後の最後までベストを求めて戦っている。決して下位に沈むようなチームの姿ではなく、その姿勢を貫く限り、残留への視界が曇ることはない。
そんな充実期を感じさせるいまの神戸だが、今節立ちはだかる相手はJ1における最強チームの1つ、広島。前節は技術に長けた浦和と激突し、4-1という圧勝劇を演じた。2位の川崎Fより1試合消化数が多いものの、勝点は同じ『54』。天皇杯とJリーグYBCルヴァンカップはいずれも決勝にコマを進めている。
そのサッカースタイルは壮観だ。浦和戦でも得点を奪う力になった前線からのプレッシング。走力、速力を惜しまず徹底的に相手を追い込み、ボールを奪ってから素早く攻撃に転じていく鋭さはJ1屈指だ。圧倒的なボール回収力で相手を自陣にクギづけにし、高いシュート意識でゴールを狙う。そのスピード感に捕まると容易に逃げ出すことはかなわない。
ただ、その広島にも懸念材料はある。今節は荒木 隼人が累積警告で出場停止。リーグ戦30試合に出場する中心選手の不在は痛手だ。さらに5日には天皇杯準決勝・京都戦で延長戦にもつれるハードゲームをこなしたばかり。主力勢がこぞって先発出場し、蓄積した疲労に一抹の不安は残るが、決勝進出をつかんだ前向きなエネルギーで今節に挑みたい。
両者ともに前線からの激しい守備を持ち味とし、相手のボール回しを狙いどおりに遮断したほうがペースを握るのは明白。同時に、動く守備には必ず内在するスキをいかに効率よく突けるかもポイントだ。深紅と紫のプライドを懸けたぶつかり合いに注目したい。
[ 文:小野 慶太 ]
