しかしまだ、自他の結果によってJ1参入プレーオフへ回る可能性が残されている。自力で残留を確実にするため、勝点3を目指してアウェイに乗り込むことになるだろう。長谷部監督も「自分たちが受け身にならずに、相手に対してひるむことなく積極的にプレーできるかどうかが大事」と語っている。
ただ、状況によっては引き分けでも十分となる場合もある。「逐一かどうかは分からないが、(他会場の)状況を把握しながら試合を進めることは必要だと考えている」とも指揮官はコメントしている。「次(浦和戦)がシーズン最後の試合になるように」と、万全の構えで最終節に臨む。
一方の浦和は、なんとも重苦しい状況だ。前節・横浜FM戦は、1-4の大敗。入りは悪くないながらも、先制を許して以降は徐々に失速し、今季二度目の大量4失点となった。そして10月31日には、リカルド ロドリゲス監督と今季をもって監督職を解除することに合意したことがクラブから発表された。
2019年の暮れに『3年計画』が発表され、今年が3年目。その間に二度、シーズン終了を待たずに監督退任が発表されることとなった。今季はリーグ優勝を目標に掲げてスタートしたが、優勝争いに絡めないまま最終節を迎えている。少し事を急いた感は否めない。
この3年間、ピッチ上は随分と整備され、サッカーの内容は上達した。守備力の劣る相手を圧倒して、確実に加点する力は身についたと言える。しかし“自分たちより上”の順位にいるチームや守備組織が整ったチームからはなかなか勝点を奪えず、壁が感じられた。
最終節の相手が福岡というのも何かの縁だろうか。長谷部監督は、リカルド ロドリゲス監督が徳島時代からしのぎを削ってきた相手だ。そして長谷部監督が福岡を率いてからの対戦成績は、1勝1分3敗と苦手としている。5月28日に行われた前回対戦でも、圧倒的にボールを握りながらゴールを奪えず、スコアレスドロー。浦和は9試合未勝利で中断期間に入ることとなってしまった。
6月以降は成績が持ち直しただけに、春までの試合のいくつかで少しの運に恵まれていれば、現在の状況はまったく違ったものになっていたかもしれない。コロナ禍やケガ人など、エクスキューズはいくつもあった。
それを悔やんでも詮なきことではあるが、せめて有終の美を飾りたい。人が入れ替わってもクラブは、サッカーは続く。改革の歩みを止めないためにも、この試合単体だけでも成果を証明したい。そして勝利でシーズンを終えよう。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
