柏は前節、敵地で福岡と対戦。「前半はすべての意味でわれわれの戦術的な部分、技術的な部分が空回りした、とにかく入りの悪いゲームになってしまった」とネルシーニョ監督が振り返ったように、4分に失点を喫すると、44分にも追加点を許して、前半のシュート数をゼロに抑えられてしまう。ハーフタイムに選手とシステムを変更したこともあり、後半は1点を返したものの、同点弾は挙げられず。これで9戦勝ちなし。リーグ前半戦は来季のAFCチャンピオンズリーグ出場権獲得も十分射程圏内といった好調ぶりだったが、後半戦に入って大ブレーキが掛かってしまった。
不振にあえぐ柏だが、今節を前に2つの大きなニュースを発表した。2019年に加入した染谷 悠太、アカデミー時代を含めると26年もの間柏に在籍したバンディエラ・大谷 秀和の現役引退だ。選手たちにも少なからず動揺を与えており、佐々木 雅士は「自分も含めていろんな選手が精神的にも支えてもらっていた」と影響力の大きさを話す。
偉大な2選手を最後は笑顔で送り出したい。そんな選手たちの思いがいまの柏には満ちている。「勝って笑顔で送り出したいし、勝ってセレモニーで引退の言葉を聞きたい。ソメさん(染谷)とタニさん(大谷)のためにも絶対に勝たないといけない」(佐々木)。そして、チームとしては来季につながるものをサポーターの眼前で示さなければならない。「戦術的な細かいところでいえば課題もまだまだあるし、前節から改善しないといけないところもある。そういうところも含めて自分たちがやれるということをプレーや結果で示さなければいけない試合だと思う」(古賀 太陽)。ホームで太陽王は最後に意地を見せることができるだろうか。
一方、アウェイに乗り込む湘南は前節、ホームで鳥栖と対戦。J1残留を決めたいという思いを胸に立ち上がりから積極的な姿勢を見せると、前半のうちに町野 修斗が2得点を挙げてリードに成功する。後半早々にPKを献上してしまうが、谷 晃生がファインセーブを披露し、ゴールを許さず。終盤にはCKから山本 脩斗がトドメとなる3点目を決めて快勝した。山口 智監督も「非常に評価できるゲームになった」と称賛している。
J1参入プレーオフ圏の16位・京都との勝点差は『3』。引き分け以上で残留が決定するが、当然ながら狙うのは勝点3のみ。また、今季湘南へ移籍してから初めて古巣のピッチに立つ瀬川 祐輔は「1週間前から前乗りしたいくらい気持ちは強い」と今節を待ち切れない様子。彼の攻守にアグレッシブなプレーにも注目したい。
前回対戦は柏が2-0で勝利している。柏がシーズンダブルを達成するのか、それとも湘南が敵地でリベンジを果たすのか。注目の一戦は11月5日14時キックオフだ。
[ 文:藤井 匠 ]
