例年、得点力が課題とされていた湘南だが、今季の開幕戦では鳥栖に5-1と大勝。前々節・G大阪戦では4ゴールを決めるなど、複数得点を決める試合が増加している。その要因は、就任3年目の山口 智監督の指導が大きい。サッカーは相手よりゴールを多く決めたチームが勝利する競技だが、その目的を山口監督がより強調し、前を向くプレーが多くなった。初めてシーズン頭から率いた昨季もそのスタイルでプレーしていたが、課題は最後の精度だった。そこに町野 修斗が台頭し、ゴール数が増えていった。
今季は彼以外に、小野瀬 康介や阿部 浩之といったクオリティーの高い選手が在籍。2列目でプレーする平岡 大陽やタリクもゴールを決めるようになり、現在は負傷離脱中だが大橋 祐紀も開幕戦ではハットトリックを決めている。
「誰がゴールを取ってもおかしくないチームになっている。康介、大陽、マチ(町野)、誰でも取れるシチュエーションが作れている」。攻撃に関わることの多いタリクは、最近のチーム事情についてそう語る。
ボールを受けたときから前を向き、ゴールを目指すためにプレーしていることが選手一人ひとりから伝わってくる。
今節の相手は、昨季のJ1王者・横浜FM。昨季はホームで1-4、アウェイで0-3といずれも内容でもスコアでも完敗している。その相手と直接対決し、自分たちの実力がどこまで上がったかを測る良い機会にもなる。
その横浜FMは前節、横浜FCとダービーマッチを戦い、5-0という快勝劇を演じた。シュート本数は16対13。大きな差はないが、決定機をことごとくモノにしたことでスコアに大きな差が現れた。
最も輝きを放っていたのは、2ゴール1アシストのエウベル。左サイドを主戦場としながら、機を見て中央のスペースへ進入し、逆サイドの水沼 宏太のアシストでゴールを決めている。
「宏太は頭が良く、視野の広い選手。良いポジションを取れば、精度の高いクロスもあります。まだ多くの試合が残っているので、引き続きこのホットラインが機能すれば、マリノスにとっても良いことです」とエウベルは2人の連係面に自身も期待を寄せる。
そんな相手と対峙し、好調とはいえ湘南も一筋縄ではいかないないだろう。だが、石原 広教は「ミーティングで智さん(山口監督)が『いまの自分たちならマリノスが相手でも同等以上にやれるし、勝ちを取れる』と話している。ここまでやってきたことを出せば、そのとおりになると思う」と語る。J1王者が相手でも、ボールを奪った瞬間に全員でゴールに向かうためのプレーをし、勝利をつかみ取りたい。
[ 文:舞野 隼大 ]
