両者はJリーグYBCルヴァンカップDグループ第1節でも対戦しており、福岡が1-0で勝利を収めている。勝利チームで躍動したのは、福岡大から今季加入したルーキー・鶴野 怜樹。[3-4-2-1]の1トップで先発しプロデビューを果たすと、0-0で迎えた59分にプロ初得点を奪った。前線からDF、GKへ連続でプレスを掛けて蹴らせると、中盤で田中 達也がインターセプトしたところからカウンターが始まり、最後はDFの背後に抜け出した鶴野がGKの股を抜く冷静なゴール。これが決勝点となった。
リーグ戦を振り返ると、アウェイの福岡はここまで4勝2分1敗。開幕戦はアウェイで神戸に敗れて黒星スタートとなったが、以降はホーム4試合で全勝中。直近6試合負けなしの強さを誇っている。際立つのは守備の堅さで、ここまで1試合を除きすべて前半を0-0で終え、勝った4試合は80分以降で決着をつけている。直近のホーム2試合は、先制されながらも劇的な逆転勝利に持ち込むなど、勝負強さが光る。
前節・京都戦は、今季初めて[4-4-2]でスタート。56分に失点を喫したものの、ルキアンのPKで同点に追いつくと、終盤にCKからウェリントンが復帰後4試合目でついに初ゴール。2017年に当時J2の福岡で19得点を挙げた実績もある点取り屋は、ここから勢いに乗ってくるに違いない。新潟としても要警戒人物の1人となりそうだ。
ホームの新潟は、ここまで2勝3分2敗。J1復帰初年度だが、どんな相手に対してもJ2時代から鍛錬してきたパスワークでプレスをはがし、ゴールに迫る場面を表現できている。ただ、前節・神戸戦はスコアレスドロー。強力なアタッカー陣を封じ切れたことは自信になった一方で、今季初めての無得点に終わった。
首位の神戸を相手に、特に前半はボールを持ち、主導権を握れたことで「少し安心してしまった部分もある」と堀米 悠斗は振り返る。相手陣内まで運ぶことはできても、アタッキングサードで迫力が出せなかった。オフ明けのミーティングで振り返ったのち、練習後のジョギングでも、選手間で攻撃を繰り出すアイディアを話し合ったという。
変化を加えるキーマンは、前節で3試合ぶりに戦線復帰した谷口 海斗。大胆な動き出しや相手のスキを逃さない鋭いシュートが持ち味だ。「チームの戦術もある中で、ダイナミックなところで違いを作らないと。そこが自分の良さでもあると思うので、それを得点につなげられれば一番良い」と、4試合ぶりの勝利をホームで奪うつもりだ。
[4-2-3-1]のトップ下で活躍中の伊藤 涼太郎にとって、福岡の長谷部 茂利監督は、2018年に水戸で師事した存在。「90分の中で、いま自分が何をすべきか。好きなことだけをやるのではなく、時間帯でプレーを変えることを強く求められた。試合の運び方を学ばせてもらった。初めての対戦なので、自分が成長した部分をぶつけたい」と意気込む。
ここ3試合勝ち切れていない新潟。その中で喫した2敗は、前半に先制しながらも追加点が奪えず、逆転されたもの。堅守を誇り、後半勝負に強い福岡は、攻撃の精度と試合運びの練度を高める上で、絶好の相手となりそうだ。
[ 文:野本 桂子 ]

