現在2位の名古屋はリーグ戦5試合負けなし。リーグ最少タイの3失点という堅守をベースに、高い得点力を誇るFWを新しくチームに加えたことで、スタートダッシュに成功している。一方の湘南は10位だが、こちらも3戦負けなしで調子は上向き。名古屋とは逆にリーグ2位の得点数を誇る攻撃陣が特に好調で、今回は攻撃の湘南vs守備の名古屋という矛盾対決の様相になる。
名古屋の注目ポイントは、どれだけ守備の主導権を握れるか。今季の名古屋はガッチリ引いて守るばかりではなく、前線から積極的にプレスを掛け、すぐに攻撃へ移るアグレッシブな守備にもトライしている。そこで強みになっているのが、米本 拓司と稲垣 祥のダブルボランチ。2人の圧倒的な走力とボール奪取力が組み合わさることで、中盤での即時奪回や、引いて守るときでもしっかりと危険なポイントに蓋ができる。もともと屈強で堅い名古屋のCBも、この2人のおかげで随分と仕事が限定され、助かっていると言っていいだろう。
中でも米本は前節・川崎F戦のように、ボール奪取から一瞬にして相手ゴールへ迫る攻撃的なパスのキレ味が増している。昨季在籍した湘南を相手に、どういったパフォーマンスで恩返しをするのか楽しみだ。
攻撃陣では、前節で初ゴールを決めたマテウス カストロに注目。シュートは打っても、なかなかゴールをこじ開けられなかった“赤鯱”のエースは、得意の落ちるFKでようやく今季初得点を挙げた。キックの精度は試合を重ねるごとに増しており、初ゴールの勢いに乗って連発を狙いたいところだ。
さらに、直前になってもう1人気になる選手が出てきた。水曜日に行われたJリーグYBCルヴァンカップCグループ第4節・横浜FC戦で、クラブ史上最年少ゴールを決めた名古屋U-18所属の2種登録・貴田 遼河だ。「結果を出した選手は積極的に使いたい」と言っていた長谷川 健太監督の判断次第だが、リーグ戦でも出場機会が与えられるのか。試合に出たら主力組にどんな化学変化が起きるのか。貴田が活躍すれば、課題であるチーム力の底上げにつながることは間違いない。
湘南の注目は、やはり得点ランクトップタイの5ゴールを決めている町野 修斗だろう。出番はなかったものの、W杯カタール大会の日本代表に追加招集されたストライカー。攻撃の起点にもなれるなどプレーの幅が広く、湘南の中心選手に成長した。その町野と藤井 陽也による日本代表のバトルも一見の価値がある。
また、湘南には阿部 浩之や永木 亮太といった名古屋に在籍した経験を持つ選手もいる。名古屋のスタイルは熟知しているはずで、その点を考えてもバチバチの熱い戦いが繰り広げられるだろう。チームを率いて2年目の名古屋・長谷川監督と3年目の湘南・山口 智監督。これまで積み重ねてきた成果をこの試合でどう発揮するのか、両指揮官の采配も楽しみたい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
