「相手の仕留める力はJ1でもトップレベルだと思うし、そこは認めつつも、自分たちの手ごたえもあった。次の試合、連敗しないことが大事になる」 吉田 孝行監督がそう振り返った前節・横浜FM戦。立ち上がりから昨季王者を圧倒し、一時は2点のリードを奪ったが、前半のうちに同点とされ、きっ抗した展開が続いた末に82分に決勝ゴールを奪われる悔しい敗戦だった。
吉田監督は相手エースのアンデルソン ロペスの“落ちる動き”に手を焼いたことを話し、「ハーフタイムに修正して、後半は良くなったと思う。ただ、欲を言えば45分までの間にもう少しできればという反省は自分自身にもある」と受け止める。さらに「失点に関してはボールのオフのところにも原因があるので、そこは修正した。あとは本当に細かいところ。ベクトルを自分自身に向けないと変わらない」と話し、意識や質を高めていく大切さに触れた。
王者を苦しめ、神戸のサッカーが前進していることを感じさせたのは確か。その上で、自信を強めると同時に試合で出た反省を次につなげることが、チームにも選手個々にも重要ということだ。神戸は今節も首位として挑むが、山口 蛍は強い言葉で引き締めた。
「最後までずっと首位にいれるかといえば、絶対どこかで波が来る時期はあると思う。自分たちが首位に立っているという意識はしていない。一試合一試合勝っていかないと、1つの勝ち負けで順位が入れ替わる状況。どの試合も危機感を持ってやっていかないといけない」 一方、アウェイに乗り込む湘南はここまで2勝5分2敗の11位。直近4戦試合は無敗だが、3試合引き分けが続いており、上昇気流に乗るためにも勝点3が欲しいところだ。
チームとして育んできた攻守のアグレッシブさは健在であり、山口 智監督の下でポゼッションの技量も高め続けている。直近2試合は、自慢の攻撃力がぶつかり合った横浜FMとの前々節、リーグ屈指の堅守を誇る名古屋との前節と上位との対戦が続いたが、いずれも粘り強く引き分けている。それぞれで課題は出たが、チームとしての強みも存分に見せた。今節も首位相手に、チームや選手個々が上積みしている自信を堂々とぶつけたい。
今節は得点数でトップを争う両者による、守備も含めた攻撃的スタンスのぶつかり合いが最大の見どころ。吉田監督は「外せるところはしっかり外すし、相手のウイングバックがどれだけ前に来るか。どれだけビルドアップができるか。前線が同数になるのだったら優位なほうを使えばいい」と状況判断の大切さを語る。ボールを奪いに出るタイミング、位置なども含めて両指揮官がどんな狙いを落とし込むか。攻め合い、つぶし合う、アグレッシブな時間が訪れることになりそうだ。
[ 文:小野 慶太 ]
