直近の明治安田J1第32節・広島戦で豪快な得点ラッシュを披露したホームの神戸。開始早々、相手に退場者が出る中、引いた相手をいかに崩すかに焦点が置かれる試合となったものの、前半のうちに巧みな連係から決定機を演出し、こぼれ球を菊池 流帆が押し込んで先制に成功。そして、54分に小林 祐希が2試合連発となるゴールを挙げ、55分に酒井 高徳、57分に汰木 康也とわずか4分で3つのゴールを挙げる離れ業を演じた。
この勝利で今季初となる4連勝を飾った神戸は、5試合負けなしと絶好調。その間、飯野 七聖やマテウス トゥーレルなど重要戦力が負傷離脱したが、大迫 勇也の完全復帰、吉田 孝行監督による小林 祐希の抜擢をはじめ、ピッチに送り出された選手たちはいずれも強気のメンタリティーを発揮。圧倒的な自信を携えながら勝点を積み重ねている。
ただ、小林 祐希は「負けない自信があるとか、絶対勝てるとかそんなふうには思っていない。毎試合、厳しい戦いになることは分かっている。『絶対に勝つ』っていう気持ちで臨むことは練習からやっているつもり」とし、圧勝した広島戦直後、いま抱くべきメンタリティーを力強く説いた。
「連勝して、大勝して、良いところばっかりみんな見がちだけど、そういうときこそ気を引き締めないといけない。一試合一試合で一喜一憂しているようじゃ二流、三流だなと思うので、このチームがもっと上に行くためにも、J1に残るためにも、来季優勝争いをするっていうことを考える上でも、一番大事な時期。プレーも精神的にも頭の中も、すべてを勝つためのマインドに変えていかないといけない」(小林 祐希) 1つの戦いの中から無数に現れる収穫と反省。その積み重ねの先にあるはずの確かな強さを求めて、いまの神戸はアクセルを踏んでいる。ブレることと距離を置くチームは、今節も高い士気と集中力を持ってノエビアスタジアム神戸のピッチに立つことになりそうだ。
その神戸が迎撃する湘南もまた、残留へ必死の戦いを続けている。ハードワークやスピード感など、自らのストロングポイントを信じて戦う姿は多くのサポーターの心をとらえていることだろう。4試合無敗の直近の戦績を振り返ると、残留争い直接対決となった第29節・清水戦ではアディショナルタイムにウェリントンのゴールで劇的に追いつき、続く第30節・浦和戦をスコアレスドローで終えると、第31節・C大阪戦でもアディショナルタイムにオウンゴールで追いついた。その最後まで戦い抜いた姿勢は直近の第32節・FC東京戦での結果につながり、後半の2発で5試合ぶりの勝点3をつかみ取った。決して負けることを許さないメンタリティーが強く根づいていることをうかがわせる戦いぶりだった。
意地やプライド、気迫が正面衝突する水曜ナイター。残留に近づくのは果たしてどちらか。
[ 文:小野 慶太 ]
