名古屋は前節、昨季王者の横浜FMを相手にアウェイで引き分けた。前半はアグレッシブな守備で主導権を握り、数多くの得点チャンスを作ったものの、“本気好青年・森下 龍矢”の2試合連続ゴールによる1得点のみで折り返し、後半息を吹き返した横浜FMに痛い同点ゴールを浴びた。内容的には圧倒していた時間が長かっただけに勝ち切りたかったが、王者相手にアウェイで引き分けたことは決して悪くない結果。後々「この勝点1が大きかった」と言わせるためには、今節の結果がとても重要だ。
神戸の得点数21は現在リーグトップ。まずはその攻撃陣を、(神戸と並んで)リーグ最少失点の堅守を誇る名古屋守備陣がどう抑え込むかがポイントになる。前節はマンツーマンディフェンスで王者を混乱させたが、体力的な負担も大きな守備スタイルだけに、それを繰り出すタイミングと、しっかりと引いて構え、体力を温存する守備の使い分けが大切になりそうだ。
そして、得点ランク2位タイの大迫 勇也と、名古屋CB陣のバトルも見どころ。特に前回の日本代表に追加招集された藤井 陽也が、経験と実績のある大迫をどれだけ食い止めることができるか。藤井が90分間集中力を切らすことなく、このバトルで優位性を保てば、4試合ぶりのクリーンシートも見えてくる。
しかし、いくら良い守備をしても、それを良い攻撃につなげなければ勝点3は見えてこない。今季の名古屋は新加入のキャスパー ユンカーが4得点、永井 謙佑が3得点を奪っているが、前節はキャスパー ユンカーが負傷のためベンチスタート。替わりに先発出場した酒井 宣福は足を痛めて途中で交代してしまった。2人がこの短期間で万全に回復しているとは考えづらく、センターFWの台所事情は厳しい。キャスパー ユンカーができるところまで引っ張り、あとを託された選手がどうフォローするのか。試合中のシステム変更を含めて、長谷川 健太監督の采配にも注目したい。
アウェイに乗り込む神戸は、前々節に横浜FMと対戦して逆転負けを喫しているだけに、今節の名古屋との上位直接対決は負けたくないところ。横浜FM戦は2点のリードをひっくり返されるというショッキングな敗戦だったが、前節・湘南戦は2-0と快勝しており、切り替えはできているようだ。
注目したいのは、やはり大迫を中心とした攻撃陣。言うまでもないが、タレント揃いでリーグ随一の迫力を持っている。堅守を誇る名古屋のゴールネットを何度も揺らすことは十分に可能で、それができればさらに自信を上乗せし、再び好調モードに入ることができるだろう。
ゴールデンウィーク最注目の上位直接対決。多くのJリーグファンが熱い視線を注ぐ中、果たしてどんな戦いが繰り広げられるだろうか。
[ 文:斎藤 孝一 ]
