福岡は鳥栖との“九州ダービー”となった前節をスコアレスドローで終えた。前半終了間際に鳥栖が退場者を出す中で勝点3を取れなかったことに、長谷部 茂利監督は「これだけのファン・サポーターにこんな舞台を用意してもらったのに、1点も取れないという申し訳なさと、少し恥ずかしささえ覚えた」とのコメントで悔しさを表した。
鳥栖戦を前に長谷部監督は、第8節から3試合連続で複数失点を喫していた守備面に修正をかけなければならないと話していたが、数的有利であったにせよ、しっかりと無失点に抑えたことは収穫と言える。だから鳥栖戦での反省は計18本ものシュートを打ちながら無得点に終わった攻撃面に向く。
フィニッシュの精度と言ってしまえばそれで話は終わってしまうが、その精度を上げるためのグループによる前作業のレベルを上げることで、最後の仕上げの成功確率を上げたいというのが長谷部監督の基本的な考えだ。
そのためのコンビネーションアップの練習はシーズン前から取り組んでいて、2点を先制しながら2-3で敗れた第8節・新潟戦や、2-2で引き分けた第9節・札幌戦、1得点に終わったが前半でかなり相手を押し込んだ前々節・広島戦などである程度の成果は出ている。だから、いまはそういう作業を安定的に、また守備とのバランスを考えて表現できるようにする、という段階には達しており、この浦和戦で複数得点という大きな成果が出る可能性も十分にあると言える。長谷部監督は浦和戦のポイントを問われて、こう答えている。
「五分五分の戦いに持っていくためには、局面での戦いに負けないこと。目と目が合ったときに、対面の選手に攻守で自分がやろうとしていることを読まれないように、あるいは負けないこと。そうすると五分五分の試合に持っていける。それにプラスして自分たちは一体感とか絆という点で勝れると思うので、そこで勝りながら個人のところでそういうふうに持っていけたら、五分五分以上の戦いになるのではないか」 その上で長谷部監督は「当然、浦和対策も練る」と話しているが、具体的な話は当然のことながら口にしていない。1つ大事なポイントは、浦和の変化をどう予想するか、ではないか。
浦和はAFCチャンピオンズリーグ決勝第2戦から中3日で迎えた第10節・鳥栖戦を0-2で落としたが、それから中3日で迎えた前節・G大阪戦を3-1でモノにした。
このG大阪戦後、マチェイ スコルジャ監督は興梠 慎三とブライアン リンセンという新しい2トップのセットを含め、「過去の会見で『ACLの決勝が終わったあとはいろいろな形を試していきたい』と言ったが、そのうちの1つが今日の形。もちろんほかのアイディアもあるので、それもチェックしていきたい」と、サポーターをワクワクさせるコメントを残している。
福岡にとっては、局面のバトルに加え、浦和が仕掛けてくる新たなチャレンジへの対応力も問われるゲームになりそうだ。ホームの福岡が3試合ぶりの勝利を挙げて上位争いに踏みとどまるのか、それともアウェイの浦和が2連勝を収めて上位チームに迫るのか。結果はいかに。
[ 文:島田 徹 ]


