前半戦を終えたタイミングで監督交代を決断したFC東京は、前節・名古屋戦がピーター クラモフスキー監督にとっての初陣となった。そこで見せた内容は変化を感じさせるには十分で、2位につけていた相手を寄せつけず、ディエゴ オリヴェイラの2ゴールで圧勝を収めた。
何か特別なことを施したわけではなく、短い準備期間で新指揮官が植えつけ、呼び覚ましたのはハードワーク。トレーニング中からピーター クラモフスキー監督が何度も何度も口にし、飛び交っていた言葉が、前節は味の素スタジアムのピッチで表現されていた。実際、攻守の切り替えや球際での戦い、ゴールへと向かう迫力で名古屋を圧倒。そのパフォーマンスは見ていて爽快に映った。
その流れを継続させていきたい中、今節もホームで戦えるのは大きなアドバンテージとなる。新体制で1試合を戦い、選手たちに自信や好感触が残っていることは間違いない。そこからさらに1週間の準備期間をとれ、“ピーター・カラー”の浸透も進んでいるはずだ。ここで連勝をつかめれば、中位グループに近づき、後半戦の戦いがより楽しみになってくる。
名古屋戦後に選手たちは「次が大事」、「続けていかないと意味がない」とそろって口にしており、今節の重要性は誰もが分かっている。最高の船出を切った“ピーター・トーキョー”が次に狙うのは、今季二度目の連勝だ。
対する柏は、下位に沈む時間が続く。5月途中にネルシーニョ前監督から井原 正巳新監督にバトンが渡されても、成績に大きな変化が見られていない現状は苦しいと言っていいだろう。新体制になってリーグ戦は5試合を戦っているが、2分3敗と勝ちがないのが何よりその証となる。
ただ、ネガティブな面ばかりが並ぶかと言えばそうではなく、改善されている部分も多くある。井原監督就任後は攻撃の改善に大きな前進が見られ、それが得点につながっている場面も少なくない。実際、明治安田J1第16節・札幌戦では4ゴール、前々節・横浜FM戦では3ゴールを奪っており、手ごたえを得ている部分は多いはずだ。だからこそ、悔やまれるのは失点の多さ。札幌戦では5失点、横浜FM戦では4失点を喫して敗戦。内容の向上を結果に結びつけられていないのが現状を難しくしてしまっている。
その意味では、前節・新潟戦のスコアレスドローは勝てなかったとはいえ、ポジティブに捉えられる要素も多い。失点を止めた流れを、井原監督体制でのリーグ戦初勝利へとつなげたい。
[ 文:須賀 大輔 ]
