札幌は、今夏にク ソンユンら複数の選手が移籍した。中でも、攻撃の核を担っていた金子 拓郎がクロアチアのディナモ・ザグレブへ期限付き移籍したことで生じた穴は大きいだろう。柏戦ではトップの位置に小柏 剛が戻ってきたが、得点を奪えずに敗戦。6月10日に行われた第17節・鳥栖戦(1△1)以降、公式戦は1勝2分5敗と大きく負け越している。唯一の勝利も天皇杯3回戦でヴェルスパ大分を5-2で下したときのもの。Jリーグ勢には勝てない日々が続いている。
ペトロヴィッチ監督は柏戦後、「チーム状況を振り返ると、ケガ人が多い、あるいはケガ明けの選手が多い。加えて、夏場の高温多湿な気候の中でプレーしなければならない」と、今年の異例の暑さについて言及。「札幌のサッカーは走る、戦うといったハードワークがベースになっているので、われわれにとっては簡単ではないと思います」と、苦しい状況にあることを説明した。
関東の中では比較的涼しい鹿嶋ではあるものの、日によっては夕方まで暑さが残ることもある。試合当日のコンディションがどうなるかで選手のパフォーマンスは大きく左右されるかもしれない。
一方の鹿島は、3週間という長い中断期間を有意義に過ごせたのではないだろうか。この期間で、ケガをしていた知念 慶が復帰。アルトゥール カイキも復帰まで秒読み段階にきている。得点力のある彼らの存在は、チームに大きなプラスをもたらすだろう。
今節は左SBの安西 幸輝が出場停止。加えて広瀬 陸斗も練習に加わることができておらず、出場は難しそうだ。常本 佳吾がセルベット(スイス)へ移籍したため、右SBは空席となりそうだったが、甲府から須貝 英大を完全移籍で獲得。さっそくチームにもなじみ、堅実なプレーを見せている。左SBでは若い溝口 修平が今季リーグ戦初先発のチャンスを手にしそうだ。
「これまでリーグ戦のチャンスは少なかった中で、ケガ人だったり、出場停止の選手がいて、やっとチャンスが回ってきたなという気持ちと、このチャンスをしっかりつかみたいなという気持ちです」。溝口はビッグチャンスを目の前にして、強い意気込みを見せていた。
前節・FC東京戦で、ここまで取り組んできたビルドアップに手ごたえを感じる試合ができた。マンツーマンディフェンスの札幌に対しては、複数の選手が同じ絵を描きながらスペースを活用することが求められる。この3週間の成果を見せたい一戦だ。
[ 文:田中 滋 ]

