横浜FCは前節、C大阪に0-1で敗れた。中断期間明け以降は、相手にボールを持たせて生じるスキをカウンターで突く戦い方を鮮明にし、第22節・神戸戦はそれが見事にハマって当時の首位を2-0で撃破した。しかし、C大阪戦ではボールを持たせた結果、かえって相手のストロングポイントであるクロス攻撃を誘発して失点に至っただけでなく、相手の切り替えの早さによってカウンターも封じられてしまった。「守備では一瞬のスキも与えてはいけないし、攻撃ではカウンターの質をもっと上げなければいけない。守備の安定や無失点につなげていく上でも、攻撃が大事」だと、四方田 修平監督は課題を口にした。
一方の横浜FMは前節、FC東京に2-1で勝利。第21節・川崎F戦を0-1で落とし、第22節・浦和戦をスコアレスドローと、2試合連続で無得点に終わったが、直近2試合は2-1で連勝し、勢いに乗っている。1試合平均得点が『2.00』、同失点は『1.08』、同獲得勝点は『2.08』と、ほぼ理想的に数字を重ねてきた。
そんな首位チームに対して、横浜FCの小川 慶治朗は「試合を見ていると、どのチームもマリノスのスタイルに引きずり込まれている。相手がどうしたらイヤがるかということも含めて、自分たちがどう戦うかを徹底して、引きずり込まれないようにしたい」と語る。まずは失点しないように全員でしっかり守り、ボールを奪えば前線のスピードを生かしたカウンターでゴールに迫る。横浜FCのサッカーはシンプルだが、格上の相手に対する最も有効な戦い方なのは間違いない。その戦い方の質をより高め、徹底していきたいところだ。
また、この試合は横浜FCのホームゲームである。横浜FCはリーグ戦のダービーにおいて、ホーム・ニッパツ三ツ沢球技場では一度も負けがない。アウェイ・日産スタジアムでは、2007年は1-8、2020年は0-4、2021年は0-5、そして今季も0-5と毎回大敗しているが、ホームでは2007年に1-0、2020年は3-1と勝利。そして2021年は残り9試合で横浜FMが2位、横浜FCは最下位で3連敗中という今季と似た状況で迎え、サウロ ミネイロの衝撃的な2ゴールで引き分けに持ち込んだ。そこから連勝して残留圏に一時勝点4差まで迫り、「残留できるかなというところまで行けた分岐点」(岩武 克弥)となった試合だった。
「2年前を知る選手は少なくなったけど、ダービーに懸ける思いはサポーターも選手も特別なものがある」と岩武。順位やアウェイでの戦績が示す実力差も、関係なくなってしまうのが“三ツ沢”でのダービーマッチだ。2020、21年はコロナ禍で観客数が制限されて声出し応援もなかったが、今回は掛け値なしの満員で、最高の雰囲気に包まれるだろう。「ここまで積み上げてきたものを出して、サポーターも含めた一体感で接戦に持ち込んで勝てれば」と四方田監督。ホームのダービーで首位を叩き、残留をつかみ取るきっかけとしたい。
[ 文:芥川 和久 ]
