神戸は前節・FC東京戦で土壇場に追いつくドローゲームを演じた。同じく引き分けだった前々節の柏戦で齊藤 未月が負傷し、全治約1年の見込みという大ケガであることが判明。開幕からアンカーとして欠かせぬ存在感を見せていた16番が離脱を強いられた中、初めて迎えたのがFC東京戦だった。
その試合は大﨑 玲央がアンカーで先発、後半から扇原 貴宏が同ポジションを担って、それぞれが自らの持ち味を発揮しながら奮闘。試合は相手に1点をリードされる展開が続いたが、ジェアン パトリッキがPKを獲得し、それを大迫 勇也が決めて後半アディショナルタイムに同点に。そこから再びリードを許したものの、扇原、大迫とつなぎ、最後は山口 蛍が起死回生の同点ゴールを挙げた。開幕から続けてきたあきらめない姿勢を貫いた神戸が、底力を見せた試合となっている。
8月30日に天皇杯準々決勝で熊本と対戦した神戸は、120分+PK戦という死闘の末に敗れた。その悔しさや疲労感はぬぐえない面はありそうだが、初のリーグタイトル獲得に挑む中、常に一戦必勝の姿勢でピッチに立ってきたのが今季だ。今節も変わらぬ熱いメンタリティーをひっさげ、多くのサポーターとの共闘の舞台に姿を現すことになるだろう。
一方、2連勝と波をつかんできた京都。8月に入って柏、FC東京に連敗を喫したものの、前々節で札幌に3-0の快勝を収めると、前節は苦手とする福岡と対峙。2点を先行したものの、前半のうちに1人退場者を出す苦しい展開に陥る。それでも粘り強く戦い抜き、2戦連続でクリーンシートによる勝利を飾った。
この2連勝で強烈な存在感を見せたのは、計3得点を挙げた原 大智だ。今夏にスペインのアラベスから完全移籍で加入したFWは、札幌戦で加入後初ゴールをPKで飾ると、初先発となった福岡戦では2得点を奪った。前線で献身的な守備も見せており、終盤戦の巻き返しへ頼もしいプレーを見せている。
神戸と京都は、球際の激しさや素早い攻守の切り替えなど、高い強度やインテンシティーを生命線とする。そこで後手に回ることは命取りとなるだけに、交代選手を含めて90分間集中力を維持することが、勝点3獲得へのマスト事項となる。
前回対戦では、互いに高い位置からのプレッシングを持ち味とする中で、長いボールを活用して“ひっくり返す”狙いを遂行しつつ、辛抱強いマッチアップを見せた。互角の展開で進んだが、後半に汰木 康也が2得点を奪い、好機を着実にゴールに変えた神戸に軍配が上がっている。
神戸がシーズンダブルを達成して首位争いに食らいつくか、それとも、今季二度目の3連勝で京都が終盤戦への確かな地歩を固めるのか。酷暑を吹き飛ばす、関西両雄による譲れない戦いに注目だ。
[ 文:小野 慶太 ]
