アウェイに乗り込む京都は、8月以降2勝3敗と負け越しとはいえ、悪くない戦いが続いている。明治安田J1第24節で札幌(3○0)、前々節で福岡(2○0)と中位陣を叩き、前節・神戸戦(1●2)は敗れたとはいえ、上位を相手に接戦を演じてみせた。
曺 貴裁監督は「勝点が取れなかったことは非常に悔しく思いますが、前回対戦で負けたときに体感したもの、それを今日の90分間では自分たちが成長した軌跡を見せられたと思う」とチームの成長に手ごたえを感じるコメントを残している。
京都はここ数カ月、順位に大きな変動はなく、現在は14位に位置しているが、降格圏とは着実に差を広げ、9位・川崎Fとの勝点差は『4』。一ケタ順位も狙えるポジションにつけている。
今節のキーマンとなるのはやはり、原 大智だろう。今夏、デポルティーボ・アラベス(スペイン)から加入すると、8月6日の第22節・柏戦で京都デビュー。そして、ここ3試合で4得点と、いまや京都の得点源となっている。堅守の浦和に対して、いかにして原に良いボールを届けるか、原が浦和CBとのデュエルに勝利できるかが大きなポイントになる。
一方のホーム・浦和も、チーム状況は悪くない。先週のJリーグYBCルヴァンカップ準々決勝・G大阪戦では、ケガ人や日本代表活動の参加で複数の選手を欠きながらも、G大阪を2戦合計4-0で撃破。3年連続の準決勝進出を決めた。
G大阪戦で特に収穫だったのが、小泉 佳穂の働きだ。大久保 智明の負傷離脱で懸案となっていたサイドの手薄さが、小泉の活躍によって一挙に解消された。マチェイ スコルジャ監督も「佳穂にとって非常に良いゲームでした。そして、彼はいま良い時期を過ごしていると感じます。非常に良くなっている選手の1人です」と大いに評価している。
生粋のサイドアタッカーではなく、突破力や推進力を持ち合わせているわけではないが、ゲームコントロールの部分で能力を発揮。特筆すべきは守備時のハードワークと気の利かせ方で、浦和の生命線である[4-4-2]ゾーンディフェンスを機能させるのに欠かせない存在だ。
これまではナンバー10(トップ下)の役割で最前線のプレスを担っていたが、サイドの守備でもその力が存分に生かされることが確認できた。酒井 宏樹、明本 考浩ら推進力系のSBとの相性が良く、今節もそうした組み合わせで攻守にわたってサイドを機能させてくれるだろう。
前述のG大阪戦ではさらに、アレックス シャルク、ブライアン リンセンの“オランダセット”が大活躍。今季ここまでチームにフィットせず、出場機会に恵まれていなかった外国籍アタッカーの台頭は、シーズン終盤に向けて大きなプラス材料だ。
さらに先日の日本代表とトルコ代表の一戦では伊藤 敦樹が先制点をマーク。勝利の立役者の1人となった。63分の出場時間に長距離移動での帰国。疲労困憊の状態でチーム練習に費やせる時間も1日しかないが、タフさも大きな売りの選手だけに先発出場の可能性はある。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
