しばらくの間3位につけ、トップを虎視眈々と狙っていた名古屋も勝点を伸ばすことができていない。直近4試合で1分3敗、順位も5位に落とした。名古屋はほかの上位陣と比べ、得失点差で劣っていることも不利だと言える。
ただ、それは開き直って勝っていくしかないという、ロジックとしては単純明快な流れである。「ほかのチームは関係ない。ウチがしっかり勝っていくことだけを考える」と長谷川 健太監督も一戦必勝の構え。夏の移籍期間でチームをけん引してきたマテウス カストロがサウジアラビアリーグに移籍し、チームは主に攻撃面で再構築を余儀なくされているが、歯車がかみ合えば、残り7試合を全勝することも不可能ではない。
しかし、そのためにはいち早くチーム状態を好転させることが不可欠だ。今節は今季のリーグ戦で無敗を誇っている得意なホーム戦。しかも豊田スタジアムで行う今季最後のリーグ戦で、サポーターも気合いがみなぎっている。その後押しを受けて、是が非でも白星をつかみたい。
相手は13位の札幌。直近5試合の戦績は3勝1分1敗と相性は悪くないが、簡単な試合になったことは一度もない。まずはこの試合に出場すればJリーグ通算200試合出場となるGKランゲラックを中心に堅い守備で相手の攻撃を寸断し、良い攻撃につなげていきたい。
そして、攻撃面でカギを握るのはキャスパー ユンカーだ。アウェイでの前回対戦は開始1分に相手の背後を取り、ゴールを決めているが、7月8日の第20節・横浜FM戦を最後に、リーグ戦ではゴールから遠ざかっている。マテウス カストロに分散していたマークを一身に背負い、以前よりも難しい状況に陥っていることもその要因だ。しかし、彼の復活がなければ逆転優勝という絵も見えてこない。チームとしてエースをどう生かすのか、そこに注目したい。
対する札幌の前節は攻め込む場面が多かったものの、相手GKの好守などでゴールネットを揺らせず、湘南に0-1で敗れた。この試合で放ったシュートは17本で、チームの目指す超攻撃的サッカーの一端を見せることはできたが、今節もその姿勢を崩さず、名古屋の堅守を打ち破りたいところ。
札幌は今季『タイトルを目指す』シーズンだったが、リーグ戦では上位に食い込めず、JリーグYBCルヴァンカップも準々決勝敗退となった。降格圏とは離れているが、チームや選手個々が何を目指すのか、真価が問われる場面となっている。1つでも上の順位、そして1ゴールでも個人の成績を上げるべく、プロとしての矜持を見せたい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
