デンカビッグスワンスタジアムで行われた天皇杯は、連戦だったこともあり、リーグ戦からのターンオーバーを実施した新潟が谷口 海斗のゴールで前半に先制し、後半に川崎Fが瀬古 樹の得点で追いつき、延長戦に突入。連戦かつ高温多湿の天候が影響して川崎Fの選手たちが疲弊する中、山田 新が延長後半に逆転ゴールを奪う。だが、あきらめない新潟は終了間際の120+1分に早川 史哉のゴールで追いつき、PK戦に持ち込む。PK戦では直前にミスが起きていた川崎FのGKチョン ソンリョンが活躍し、4-3で川崎Fが準決勝進出を決めている。
新潟としては、そのリベンジを果たしたいはず。特に5人目のキッカーを務めてGKのセーブに遭った高 宇洋は気持ちが入る一戦になるだろう。プロ入りして7年目でJリーグ通算200試合以上に出場してきた高は川崎F.U-12、U-15の出身。2つ下の世代である宮代 大聖、山田 新とのマッチアップは見ものになりそうだ。
また、古巣戦という意味では舞行龍ジェームズも気合いが入っているはず。「ケガも多く、なかなかその才能を発揮できなかった」。鬼木 達監督がそう振り返った在籍時の経験はあるものの、思い入れ深いチーム相手に感情が入っているはずだ。
新潟のホームで行われた明治安田J1第4節では、新潟が川崎Fを内容で上回り、1-0で勝利している。その試合で得点を挙げた伊藤 涼太郎は移籍したものの、今月に入って1勝2分と負けなしのチームには充実感もある。前節は横浜FCに3-1で勝ち切り、先述の高はスーパーゴールをマークした。
新潟としては、負けなしを続けたいところだろう。
対する川崎Fは公式戦3連勝と調子を上げてきた。きっかけは、守備時に[4-3-2-1]へと移行する新たなディフェンスの仕方を採用したこと。ウイングの選手たちが守備時に中央へと絞り、ボランチの選手をケアする。相手がサイドにボールを出したところで中盤の3枚を中心にスライドして、強くプレッシャーを掛けにいく。この“新ディフェンス”を採用したことで、チーム内のコミュニケーションが活発になり、皆で1つの方向に向かうことができている。
前線では、新加入のバフェティンビ ゴミスやレアンドロ ダミアンが君臨。無所属の期間を経て合流したバフェティンビ ゴミス、負傷から復帰したレアンドロ ダミアンの2人はコンディションを上げてきており、元フランス代表、元ブラジル代表のポテンシャルを発揮。前線にタメができていることも、直近の公式戦3試合での連続完封勝利に貢献している。
加えて、中盤では脇坂 泰斗、瀬古 樹、橘田 健人の3選手が豊富な運動量と高い強度、そして何より技術力の高さを示してチームのエンジンになっている。新潟の高らとの、中盤のせめぎ合いは白熱必至だ。
両チームとも、ボール保持と高い位置からのプレッシャーが特徴であり、その主導権争いも注目のポイントになるだろう。
川崎Fは連勝継続を、新潟は連勝達成を目指す。
[ 文:田中 直希 ]


