そんな中、前節・G大阪戦は59分に負けなしの立役者・ホセ カンテの退場劇が発生。数的不利となり、勝利は難しいのか……と思われたが、覚悟を決めたチームはここから、11人のときを上回る果敢なプレーを披露する。
68分には、自陣深くでボールキープしたブライアン リンセンに呼応し、岩尾 憲がブライアン リンセンを追い越すランニング。急所に進出した岩尾を経由し、右サイドに流れた伊藤 敦樹がクロスを送ると、逆サイドから飛び込んできた髙橋 利樹がヘディングシュート。数的不利を感じさせない積極的な姿勢から、決勝ゴールを呼び込んでみせた。
攻撃力に課題を抱えていた今季の浦和にとって、10人ながらハードワークをこなし、必死で攻守の出入りを繰り返したこの試合は大きな成功体験となるだろう。11人の状況でも、同様の積極的なプレーが多く繰り出されることを期待したい。
今節は得点量産中のホセ カンテが出場停止となるものの、負けじと調子を上げてきたブライアン リンセンは健在。さらに休養十分の興梠 慎三と、加入後初ゴールで乗ってきそうな髙橋も控えている。守備ブロックの外からシュートを叩き込めるホセ カンテの不在は確かに痛手だが、それだけに丁寧な攻撃を心がけたい。前述のストライカーたちに、決定力を発揮する場面をどれだけ用意できるかがカギになる。
浦和は勝ち切れない試合が続いていたが、上位陣も同様に足踏みが続き、望みがつながったどころか、優勝争いは一層の混沌となった。千載一遇の好機だけに、これ以上の取りこぼしは許されない。過密日程が続いて疲労困憊の状態ではあるが、なんとしても勝ち切る戦いぶりが求められる。
一方の17位・横浜FCも、負けられない状況にある。8月以降は神戸、横浜FMといった上位陣を撃破し、今月の頭に行われた第26節では名古屋と引き分け。上位相手に勝点を積み上げており、シーズン序盤のような“底”は脱した状態にあるものの、依然負け越しペースが続いている。
第17節・浦和戦で脱して以来、再びの最下位転落こそ避けられているが、安全圏へ浮上できずにいる。最下位・湘南との勝点差はわずかに『1』と、厳しい現状に変わりはない。前節・新潟戦に続いてのアウェイ戦となるが、是が非でも勝点を持ち帰りたいところだ。
逆に浦和としては、AFCチャンピオンズリーググループJ第1節・武漢三鎮戦、前節と、骨っぽいアウェイの戦いが続いた中で公式戦3試合ぶりとなるホーム戦。「マジック・スタジアム」(マチェイ スコルジャ監督)である埼玉スタジアム2002で“真のホームスタジアム”が何であるかを見せつけ、クラブ一体で勝利をつかみ取りたい。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
