記憶を呼び戻すと、前節は勝点3を逃して、優勝争いから後退を余儀なくされた試合だった。横浜FCの残留に懸ける意気込みに気圧されて先制を許すと、反撃が遅れに遅れて追いつくのが精一杯のドロー。前々節・G大阪戦で10人になりながら勝利を挙げた直後だっただけに、「こんなはずでは……」と誰もが思わずにはいられなかった。
今節もまた、似た状況にある。極めて難しくなったとはいえ、まだ優勝の芽が残されている。そして、相手は残留争いから完全に脱せていない柏。状況は真逆ながら、お互いにモチベーションには事欠かない。
また、アレクサンダー ショルツは「ACL優勝(2022年大会)のあとにサガン鳥栖に0-2で負けてしまった」と、別の状況も教訓に挙げる。ルヴァンカップ準決勝第2戦で横浜FMから挙げた勝利が達成感のあるものだっただけに、気持ちの切り替えが一層重要になる。
ACL決勝・アルヒラル戦と違う点があるとすれば、試合内容だろうか。ルヴァンカップ準決勝第1戦で敗れたとはいえ、「試合をコントロールできた」(マチェイ スコルジャ監督)と、180分での勝利につなげた。持ち前の堅守だけでなく、攻撃にも迫力があった。
「力があると証明できたと思うので、継続的にマリノス戦のような戦い方ができるチームになっていきたい。リーグ戦で続けられるかが重要。より集中しないといけないですし、自分たちは勝ち続けるしかないので、チャレンジしたい」と西川 周作は気を引き締める。
リーグ戦の合間に別大会が挟まっていたため忘れがちではあるが、ホセ カンテの出場停止があと1試合残っている。今節も重要なストライカーを欠くことになるが、ここに来て陣容は厚さを取り戻している。大久保 智明を筆頭に、ブライアン リンセン、中島 翔哉と離脱していたアタッカー陣が続々と練習に復帰。限られたメンバーでやり繰りしてきた前線・2列目にようやくオプションが戻ってきた。まだまだ過密日程が続く中、チーム全員の貢献が求められる。
対する柏も、勢いに乗っている状態だ。8月以降は公式戦わずか1敗。最下位は過去のこととなり、安全圏まであと一歩のところまで上昇してきた。天皇杯では決勝進出を決め、士気も高い状態にある。
ただ、今節に関しては不安要素もある。攻撃の要・マテウス サヴィオが累積警告により出場停止。また、エースストライカー・細谷 真大はU-22日本代表のアメリカ遠征からの帰国が試合直前となり、疲労は避けられない。そして何より、後半戦の立て直しを支えた犬飼 智也が浦和からの期限付き移籍のため、契約の都合上出場できない。
両チームにとって試練となる状況だが、だからこそ今節での3ポイントが目標達成のために極めて重要になる。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
