その勢いを持って武藤が再び埼玉スタジアム2002へと凱旋してくるだろう。昨季の凱旋試合は1-5で大敗し、武藤自身も勝敗が決してからの出場となった舞台だが、今回もそうなるとは考えづらい。「初めて柏サポーターの声が聞けるので、すごく楽しみ」と意気込んでもいる。
前線ではさらにドウグラスも復帰を果たしており、こちらも2試合連続ゴール中と好調。最近は勢いが止まっているとはいえ、細谷や森 海渡、小屋松 知哉らも控えており、2トップの選択肢は豊富だ。上島 拓巳の出場停止が明け、高橋 祐治が脳震盪からの復帰を果たせそうなのもプラス材料だろう。
ただ、チームとしての柏は現在4試合勝ちがない。前節・磐田戦も2点リードを守り切れずにドローとなるなど、得失点のタイミングがかみ合わない試合が多くなっている。特に左サイドが機能していない印象で、浦和としてはそこを突いていきたい。
しかし、浦和は手負いである。リカルド ロドリゲス監督が「難しい1週間だった」と前節・鹿島戦を振り返ったように、新型コロナウイルス感染症の陽性判定者が続出。試合後には酒井 宏樹の負傷も判明。今週も追加で陽性判定者が出ており、リーグ中断前からAFCチャンピオンズリーグにかけて確立されたベストメンバーは、今回もそろわない公算が高い。出場機会の少ない選手たちがどれだけ力を発揮できるかがポイントとなる。
前節はダヴィド モーベルグと酒井をそろって欠いた右サイドが迫力を欠いたように、やはり“誰が出ても同じ”サッカーをすることは難しい。ただ、右SB宮本 優太は90分間局面に顔を出すタフネスを見せ、関根 貴大も派手な突破こそなかったものの強度や切り替えで貢献。そして得点にも絡んだ。
特に得点シーンで関根が見せたプレーは、悪いときの浦和が忘れてしまいがちなポイントをしっかりと実行したものだった。テンポばかりを気にしてすぐにボールを放すのではなく、ボールホルダーがどれだけ相手を引きつけ、影響を与えて周囲の味方を助けるか。岩尾 憲から松尾 佑介とつながった1点目のシーンは、関根が複数人を引きつけたことで生まれた。
相手のプレスにびびらず、味方と相手の矢印を見て、その逆を突く。前節見せた“相手の勢いにあっぷあっぷになる”ような立ち上がりを見せるわけにはいかない。浦和としてはホーム・埼玉スタジアム2002での試合。大歓声を力に変えてリスタートを切りたい。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
