岩政 大樹監督が「上位陣に殴り込みをかける」と意気込んで臨んだ終盤戦だったが、明治安田J1第28節で横浜FMに力負けを喫し、前々節は神戸に歯が立たずに完敗。ここ4試合は2分2敗と勝点を思うように伸ばせず、優勝争いから脱落してしまった。不調の要因は得点力で、その4試合で奪えたゴールは2点だけ。福岡と浦和には手堅く試合を進めることはできても、ゴールに至るまでの絵を描くことができなかった。
そこで前節・浦和戦のあとから攻撃を再確認。崩すことへの意識が強過ぎるあまり、ゴールへ向かう姿勢が薄れていた。ボランチの佐野 海舟は言う。
「誰が見ても分かるとおり、点が取れていない。自分もどんどん前に出ていって、リスクはありますけど、みんながどん欲にゴールを狙っていくようにしたい」 結果を出すことにとらわれ過ぎて、チャレンジする姿勢が薄れていたことを共有し、もう一度、意欲的にゴールに向かうサッカーを目指そうとしている。
対する16位・柏は残留争いの真っただ中にいる。最下位・横浜FCとは勝点差4。間に湘南を挟んでいるとはいえ、安心できる立ち位置ではない。できることなら最終節より前にJ1残留を確定させたいところだろう。モチベーションは高く、前節は川崎F相手に良い前半を過ごすことができた。しかし、相手の退場によってゲームプランが崩れてしまった。基本的には、しっかりとした守備から攻撃につなげることを狙っており、数的優位になったことで逆に戦い方が難しくなってしまった。
マテウス サヴィオや細谷 真大といった速さと決定力を兼ね備えたアタッカーを前線に抱えており、彼らが前を向いてスピーディーに仕掛けたときは下位に沈むチームとは思えない破壊力を示す。鹿島もその威力は十分に知っており、ディエゴ ピトゥカは「非常にオーガナイズされた強いチームだと思います。コンパクトでカウンターにクオリティーがあるチームなので、そこはしっかり警戒したいと思います」と話していた。
両者はJリーグYBCルヴァンカップのグループステージで同組だったため、今季ここまで3試合を戦ってきた。結果は1勝1分1敗、スコアも1-1、0-1、1-0と完全に互角。四度目の対戦で雌雄を決する。これまでの対戦ではいなかった犬飼 智也が柏のディフェンスリーダーとして守備陣をまとめ上げている。互いをよく知る鈴木 優磨や土居 聖真とのマッチアップも楽しみだ。
[ 文:田中 滋 ]

