16年ぶりのJ1を戦う中、内容面で手ごたえを得る試合が多いものの、勝利を得られていない東京V。2週間の代表ウィークで勝利のために取り組んできたうちの1つはビルドアップだ。昨季とは異なり、終盤に失点することが多い今季。今節でそうならないためにも、守備で体力を削られることは避けたい。だからこそ、ボールを保持する時間も必要だ。ボールホルダーに対して良い位置取りをしてサポートをすること、その選手につながった先を考えてポジショニングすること。特に京都はポゼッションに特徴があるというよりは、縦に速い攻撃が特徴のチーム。うまくボールを保持することが重要で、なおかつ不用意なロストも避けたい。また、「試合映像を見ても、コンタクトプレーが多い印象。ゴチャゴチャっとなるシーンもたぶんある」と綱島 悠斗。京都は3トップの両翼を務める選手が内側のポジションを取り、1トップの選手を近い位置でサポートすることも多い。中盤での球際の強度で下回らないことも肝要になりそうだ。
また、東京Vは木村 勇大、山田 楓喜という2選手が京都からの期限付き移籍中のため、契約上の問題で出場できない。今季挙げた5得点中、合わせて4ゴールを決めている2人が不在となるだけに、山田 剛綺、河村 慶人、翁長 聖、稲見 哲行といった選手たちは先発出場に向けてアピールを続けている。昨季まで山形に在籍していた チアゴ アウベス もチームに加わっており、誰がスターティングメンバーに名を連ねるかも注目点だ。「われわれの絶対値を別の形で出せるチャンス」。城福 浩監督も新たな力の出現と効果に期待している。
京都は、直近3試合で1勝2敗。特にDF陣に負傷者が出てしまっており、こちらもどんなメンバーで臨むかは見どころの1つ。前節・横浜FM戦では一時2-2に追いついたものの、勝ち越されて敗れている。それでも、序盤に退場者が出ながらも善戦したのは前向きな材料か。
また、東京Vは染野 唯月、京都は川﨑 颯太と、U-23日本代表でともに戦った選手の出場も見込まれている。2人はチームの中心選手。パリ五輪への思いについて聞かれた染野は「まずはヴェルディで勝利に貢献すること」を強調していた。それは川﨑も同じ思いだろう。
直近の両者の対戦成績は、京都の3連勝(2022年度大会の天皇杯準々決勝を含む)。いずれも複数得点で京都が勝利している。とはいえ、東京Vを率いる城福監督対曺 貴裁監督という意味では、前回対戦の天皇杯のみ。それに、これまで何度もしのぎを削ってきた間柄だ。「縦に速く、湧き出てくるような攻撃がある」と、東京Vの指揮官は警戒していたが、今回はどんな試合展開になるか。
[ 文:田中 直希 ]
