昨季のJ1王者が好調なシーズンをスタートさせている。磐田との開幕戦で快勝後、明治安田J1第2節・柏戦には敗れたものの、続くFC東京戦で逆転勝ち。前節・広島戦はスコアレスドローだったが、畳みかけるような神戸らしい攻撃力を披露するなど、確かな強さを見せている。
攻撃で魅了する一方、ディフェンスの安定感も光る。広島戦後、山川 哲史とマテウス トゥーレルの2CBについて、GK前川 黛也は「この2枚というのはすべての過程で打たせる前で止めてくれたり、寄せにこだわってやってくれたりするので、すごく良い状態で守ってくれている。心強い」と絶賛。山川もまた、「前線と中盤の選手がある程度、(パスの)コースを制限してくれていたので、ボールが入ってきたときには基本的にはつぶしにいけていた」と話している。
“前へ”は神戸のオフェンスの重要なキーワードだが、それは守備でも同じこと。より前から相手の攻撃をつぶしていくのが鉄則だ。ミドルゾーンでのコンパクトな守備と、全体が1つの塊となって実行する果敢な連動プレスは、神戸のダイナミズムを呼び起こす発火点のようなもの。吉田 孝行監督とともに磨き抜く高強度スタイルを発揮し、ノエスタでの今季初勝利を飾りたい。
一方の札幌は勝利が遠い。福岡との開幕戦で引き分けると、続く鳥栖戦で0-4の大敗を喫し、第3節も浦和に0-1で敗戦。開幕3試合で無得点という、攻撃が持ち味のチームとしては苦しい結果になってしまった。前節・町田戦にも敗れ、最下位に転落した。
ただ、町田戦では84分に高卒ルーキーの原 康介がプロ初ゴールを挙げるなど、ポジティブな要素も決して少なくない。U-23日本代表メンバーとして強化試合で好パフォーマンスを見せた馬場 晴也をはじめ、キレのある動きを続けている選手も多く、攻守のハードワークを原則に勝利への執念を見せていきたい。
昨季の対戦は神戸の1勝1分。第2節の札幌ドームでの対戦は大迫 勇也らがゴールを決めて、神戸が3-1で快勝。さらに、神戸ラストマッチとなったアンドレス イニエスタが先発した第19節はスパチョークが先制ゴールを決めて、札幌が優位に試合を進める。それでも85分、マテウス トゥーレルが神戸での初ゴールを決めて、ドロー決着となった。
両者のフォーメーションに違いはあるが、ともに攻撃的なサッカーが持ち味だ。対角のフィードを駆使しながら前線の脅威を高める神戸。ウイングバックを生かした横幅のある攻撃で揺さぶりをかける札幌。互いのストロングポイントをいかに消し、自らの持ち味を発揮するのか。持ち前のアグレッシブさのぶつかり合いは強い興奮を生み出しそうだ。
[ 文:小野 慶太 ]
