前節は福岡相手に3-0と快勝を収めた神戸。22分に大迫 勇也と武藤 嘉紀の華麗なワンツーで大迫が先制点を奪うと、後半には武藤が2つのゴールを決めている。大迫、武藤、汰木 康也の3トップを軸とした攻撃力は現在、J1指折りのパフォーマンスを披露中だが、アンカーの位置で攻守を支える齊藤 未月は福岡戦後にこう評した。
「ペナルティーエリアに入っていく回数だったり、クロスの回数だったり、相手の脅威になる回数は多いと思っている。それを相手がイヤがってミスが起きたり、結果的に90分通して見たときにああいう点差で勝てている。そこの決定力のすごさだったり、前で戦っている選手はJリーグの中でもトップレベルで強力なんじゃないかと思う」 その半面、齊藤は自らに厳しく矢印を向けた。
「後ろの4枚プラス1の5人に関しては悔しさも残るし、よりレベルアップしたい気持ちが増したゲームになった。やっぱり前線の活躍のおかげで勝てている部分がある。もちろん、(失点)ゼロで抑えられたのはあるけど、よりシーズンが流れていく中で、自分たちがレベルアップする部分を感じられた試合だった。個人としてもミスは多かったし、ああいうコンディション(雨など)の中でも、もっとやれることはあったと思う」 この背番号16の言葉は、今季の神戸が決して調子を落とさず、上位にい続けてきた原動力とも換言できるだろう。結果を着実に積み上げる一方で、内容では簡単に自らに満足感を与えない。常に向上心を育み、チームも選手個々も目の前の試合に集中し、収穫と課題を積み上げてきた。今季は成長を期しながら進むシーズンであり、実直に向き合い続けた先に待っているのが初のリーグタイトル獲得だ。福岡戦からの上積みを今節にぶつけるのみだ。
一方で札幌は前節、ホームにC大阪を迎えた。勝点の近い目先のライバルとの激突だったが、開始わずか2分で先制ゴールを許す苦しい展開を強いられ、17分、38分にも失点。ただ、45分に反撃のゴールを奪い、札幌らしいサイドを使った攻撃やパワフルなアタッキングを披露している。1-4の敗戦と点差は開いたが、ペトロヴィッチ監督が「決してスコアほど悪いゲームではなかった」と評したとおりのゲームと言えるだろう。
一度ペースをつかむと、相手チームに何もさせない迫力をみなぎらせている札幌。総得点39はリーグトップ。5得点5アシストでチームを引っ張ってきた小柏 剛が負傷離脱したことは痛恨だが、金子 拓郎が8得点4アシスト、浅野 雄也が8得点3アシストを記録するなど、さまざまな形でゴールに迫ることができるのは大きな魅力だ。神戸戦は近年厳しい戦績が続いているが、2位を撃破し、上位追走を本格化させる好機としたい。
また、2018年に神戸に加入したアンドレス イニエスタがこの試合をもって退団する。どのような夜になるかは当日を待つことになるが、試合後には退団セレモニーも開催予定。多くのサポーターを含め、ノエビアスタジアム神戸にはさまざまな思いが溢れることになりそうだ。
[ 文:小野 慶太 ]
