札幌は前節、広島とスコアレスドロー。立ち上がりから強度の高い攻守を見せる広島に押され、なかなか狙いを持ってパスをつなげない。相手陣までボールを持ち運んでも、そこから先のプレーで技術的なミスや連係面のミスが生まれてしまい、良い形で相手ゴールを脅かすことができなかった。だが、その中で光ったのがベテランGK菅野 孝憲。決定的とも思える広島のシュートシーンで何度も好セーブを見せ、ピンチを脱出。それ以外の場面でも抜群の安定感を披露し続け、思うように好機を作り出せない苦戦の中でもチームに落ち着きをもたらしていた。
内容面にフォーカスをすると、札幌にとっては決して良いものではなかったかもしれない。ただ、そうした試合で、それもアウェイゲームでしっかりと勝点1を獲得できたことは前向きに捉えていいはずだ。特に昨季の札幌は失点数の多いチームだったことを踏まえても、価値の大きな試合だったように思う。
一方、まだ多くの積雪が残る札幌市内に乗り込む神戸は前節、ホームで福岡と対戦し、1-0で勝利。立ち上がりから左右のウイングバックが積極的に攻撃を仕掛けてくる相手に後手に回る場面が目についたもの、徐々にボールを保持しながら相手陣内へ押し込む時間を増やしていく。ときおり、前線の大迫 勇也らにシンプルなロングボールを蹴り込み、遅攻と速攻を使い分けながら主導権を掌握していった。そして、70分に途中出場のジェアン パトリッキが鋭く決めて先制すると、その後は堅い守備で逃げ切りに成功している。
神戸の売りの1つでもある強力な外国籍選手がスタメンには名を連ねず、日本人選手のみで開幕戦のキックオフを迎えたが、そうした中で勝点3をつかんだことは選手層にさらなる厚みが生まれた証と言っていいだろう。
さて、そんなチーム同士の対戦だが、注視したいのは札幌がどれだけ勢いを持ってこの試合に入ってくるかどうか。広島戦ではチームスタイルである攻撃的な戦いが十分に発揮できていなかったため、このホーム開幕戦では積極的なパフォーマンスを演じるはず。そして、その札幌に対して大迫をはじめ、山口 蛍や酒井 高徳ら欧州リーグでのプレー経験を持つ選手たちを擁する神戸がどのように受け止め、スキを突くのか。質の高い攻防が見られることだろう。
注目の一戦は25日の15時にキックオフされる。
[ 文:斉藤 宏則 ]

