名古屋はプレシーズンで、昨季の明治安田J1で16ゴールをマークしたキャスパー ユンカーと、福岡で2年続けてJ1・2ケタ得点を挙げた新加入・山岸 祐也の2トップで準備を進めてきたが、キャスパー ユンカーは第4節・柏戦で右ひざ内側半月板損傷を負って離脱。2次キャンプ中に負傷した山岸は第2節・町田戦で復帰したものの、第5節・横浜FM戦で再びひざを痛めてピッチから離れざるを得なくなった。
本来なら今季のメインシステムはアンカーを置いた[3-5-2]にする予定だったが、2人の離脱により、昨季まで慣れ親しんだダブルボランチを置く[3-4-2-1]に回帰。それが逆に功を奏して反転攻勢につながった。
ただ、内容的にはギリギリの戦いの連続で、この勢いが本物なのかを知るためには、首位のC大阪を相手にどんな戦いができるのかが重要。ホームの後押しを受けて、「今後上位争いができるんだ」というところを見せたい。
勝負のカギを握るのは、まずそのダブルボランチ。ミッドウィークに行われたJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦・大宮戦で椎橋 慧也を90分使っていることから、今節でコンビを組むのは米本 拓司と稲垣 祥の“米稲コンビ”になりそう。豊富な運動量を生かしてピンチの芽を摘むだけでなく、巧みなボール奪取からどれだけチャンスメークできるのか、またサイドからの攻撃に厚みをもたらす走り込みをどれだけできるのか。それらが彼らに求められるプレーとなる。これまでずっとチームを引っ張ってきたベテランがゴールを奪えば、背中を追う若手たちにとっては大きな好影響となるだろう。
そして、リーグで2番目に少ない失点数を誇るC大阪守備陣を崩すための武器、永井 謙佑にも注目が集まる。3月に35歳になったが、持ち前のスピードは健在。長谷川 健太監督も「歳を重ねるごとにうまくなっているのは間違いないが、スピードが落ちないのは彼の持っている特殊な才能。結果を出し続けてほしい」と、期待を口にする。永井がどれだけ相手の背後を取れるのかも、勝負のポイントになるだろう。
アウェイに乗り込むC大阪はチームとしての熟成が進み、5勝3分とスタートダッシュに成功した。守備もさることながら攻撃陣も好調で、今季は左右、真ん中のどのラインからでもゴールを挙げることができている。ルヴァンカップ1stラウンド2回戦では、3バックの岩手を相手に攻めあぐねる場面もあったが、その経験は同じく3バックで中央が堅い名古屋に対して生かされるだろう。いま一番勢いに乗っているチームとして、自分たちのサッカーを一貫してやり続けたい。
両者の公式戦における直近10試合の戦績は、名古屋の6勝4敗とほとんど互角。ただ、名古屋のホームかつリーグ戦に限ると、名古屋は2018年以降5勝1分と負けていない。得意のホームで名古屋が首位を撃破し、上位争いに食い込むことができるのか。それとも、C大阪が勝点3をつかんで首位の座を維持するのか。好調なチーム同士なだけに、熱い戦いになることは間違いないだろう。
[ 文:斎藤 孝一 ]
