今節、ホームの豊田スタジアムに迎えるのは8位のC大阪。昨季は、リーグ戦はもちろん、天皇杯準々決勝、JリーグYBCルヴァンカップ決勝と3つの大会で対戦し、さまざまなドラマがサポーターを魅了した好敵手と言えるだろう。
その戦いを振り返っていく。まずは明治安田J1第13節。名古屋は直前に、“春の天王山”と呼ばれた川崎Fとの首位決戦2連戦で連敗を喫し、それまでの好調ムードが一瞬にしてしぼんでしまった。しかしこの第13節ではしっかりとメンタルを切り替え、後半に先制点を奪うと、昨季の名古屋らしい堅い守備を見せて1-0で勝利を収めた。
次の対戦は天皇杯準々決勝。名古屋は韓国でのAFCチャンピオンズリーグ準々決勝を終え、厳しい隔離生活を送っている中での試合だった。C大阪も連戦下となり、若手を積極的に使ったターンオーバーで臨んだ。
その中でチームの総合力を見せたのはC大阪。序盤から攻勢に出ると、32分にCKから先制点。さらにその6分後にも、今季名古屋に期限付き移籍をしているチアゴがCKから打点の高いヘディングシュートを決め、リードを2点に広げた。さらに後半、堅守の名古屋から3点目を奪い、そのまま3-0で快勝。3日後に控えるルヴァンカップ決勝に勢いをつけた。
そして、埼玉スタジアム2002で行われたルヴァンカップ決勝はヒリヒリした展開になった。前半をスコアレスで折り返すと、後半すぐに試合を動かしたのは名古屋。47分、後半最初のセットプレーを生かして先制点を奪うと、選手交代でリズムを取り戻したC大阪に同点のピンチを作られたものの、それをなんとかしのいだ直後の79分に、稲垣 祥がこぼれ球を押し込んで決定的な2点目を得る。試合はそのまま名古屋が2-0で勝利し、クラブ初のルヴァンカップ制覇を成し遂げた。
話としては、このタイトル獲得で大団円となりそうだが、第37節にも記憶に残しておきたいドラマがあった。C大阪はこの名古屋戦が2021年のホーム最終戦。J1リーグ戦最多となる191得点を挙げたストライカー・大久保 嘉人氏にとっても最後のホーム戦となった。
先制点を挙げたのは名古屋。しかも大久保氏を「アニメのヒーローのように憧れていた」という元同僚の柿谷 曜一朗が、年間最優秀ゴールとなるバイシクルシュートを先輩の目の前で決める。しかし大久保氏のためにも負けられないC大阪は、80分にクロスバーに当たったシュートがGKの背中に当たりゴールインするという、まさかの展開で同点に追いつくと、87分にはCKから西尾 隆矢が頭で合わせて逆転勝利を収めた。
結果、昨季は2勝2敗と互角の成績。しかもこれほどまでにエピソードが詰まった対戦も珍しかったのではないだろうか。仕切り直しとなる今季の初対戦は、いったいどんな熱い戦いを見せてくれるのか。この試合がきっかけになり、いずれかのチームが爆勝モードに入るかもしれない。
[ 文:斎藤 孝一 ]
